子どもに人気のスーパーの乗り物型カート。ある日、買い物に向かう途中、友人は思わず目を疑う光景に出くわしました。そこで見た“ありえない使い方”とは? 友人が貴重な体験談を語ってくれました。

「乗り物型カート」を目当てにスーパーへ

今はスーパーのカートも子どもが喜ぶように工夫されたものが多くあります。乗り物の形をしたカート、2人乗りのカート、立ち乗りのカート。

私も5歳の息子を連れて買い物に行くときは、いつもカートに助けられています。

その日は、歩いて10分ほどのスーパーへ向かっていました。そこには息子のお気に入りの乗り物型のカートがあります。

あと少しでスーパーに到着という交差点に差しかかったとき、私は目を疑いました。

信号待ちをしているのは、まぎれもなくそのスーパーのカート。しかも中には子どもが乗っているのです。

交差点で目を疑った“ありえない光景”

「えっ? あれ、スーパーのカートじゃない?」と私がつぶやくと、息子も「スーパーのカートだ!」と指さしました。

見ると、中年の女性が買い物袋を下げ、アスファルトに引っかかりながらガガガッと音を立ててカートを押しています。

どう考えても敷地外。スーパーのカートに子どもを乗せ、平然と横断歩道を渡る姿は異様でした。

女性の驚きの反応

その瞬間、スーパーの方向から店員さんが猛ダッシュでやってきました。

女性に声をかけ、丁寧ながらも毅然とした様子で「こちらのカートはお店の備品ですので、店外の使用はご遠慮ください」と説明します。

しかし、女性は不満そうな顔で「子どもがこれで帰りたいってきかないのよ! ちょっとぐらいいいでしょ? ケチね!」と大きな声でまくし立てました。

すると店員さんは顔が一気に真剣な表情になり、丁重かつ強めの口調でこうお願いをしたのでした。

「お客様、これは持ち出し禁止となっていますし、道路をカートで移動するのは大変危険です! もし事故が起きてしまっては、取り返しのつかないことになってしまいます。今すぐ、カートを返してください!」

それに対して、まさかそこまで言われるとは思っていなかったのか、女性は「い、家まで荷物持ち帰って、返すつもりだったよ!」と答えていました。

そして、しぶしぶ子どもを降ろし、カートを店員さんに返していました。

私は、「いや、それ、家に持ち帰っていいものじゃないから!」と心のなかでツッコミました。

ルールを守る大切さ

スーパーのカートはみんなが使うもの。まさか家にまで持ち帰ろうとするとは驚きです。

それからスーパーに入って乗り物のカートに乗った息子。

そして「このカートって、スーパーのだよね?」と言った言葉に、私も大きくうなずきました。

“当たり前のルールを守る大切さ”を、まさか交差点で思い知る出来事となりました。

【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Yuki Unagi
フリーペーパーの編集として約10年活躍。出産を機に退職した後、子どもの手が離れたのをきっかけに、在宅webライターとして活動をスタート。自分自身の体験や友人知人へのインタビューを行い、大人の女性向けサイトを中心に、得意とする家族関係のコラムを執筆している。