マウント女、現る
年に一度の親戚の集まり。
私はそれほど楽しみにしているわけではありません。
なぜなら、B子さんという年上のいとこが、毎回ものすごい勢いでマウントを取ってくるからです。
一言返してみた
「私の旦那は年収がね」「このバッグ、〇〇でしか手に入らないの」など、とにかく聞いてもいないのに自慢話のオンパレード。
しかも、こちらが何か言うと「ふ〜ん、それって大変そうね〜」と見下し口調。正直、聞いてるだけで胃が痛くなります。
今年もB子さんは相変わらずでした。
甥っ子へのお年玉の額について話題が出ると、B子さんは「あら、それだけ? 私なんて毎年〇万円あげているのよ」と、見下すような口調で返してきたのです。
限界だった私は、思わずこう言ってしまいました。
「B子さんって、ほんとプロの自慢屋さんですよね。どこかで表彰されたりしました?」
予想外の反応
一瞬で空気が凍ったのがわかりました。
でも、顔を上げて見ると、他の親戚たちが思わず吹き出していて、場が一気に和んだのです。
B子さんは最初ぽかんとしていましたが、「何よ、それ」とちょっとむくれて黙ってしまいました。
そしてそこからは、みんなが自然と私の周りに集まって、B子さんは少し離れた場所でスマホをいじるばかり。
ついに静かな時間が訪れました。
その後、伯母がこっそり「よく言ったわ」と耳打ちしてくれた時には、心の中でガッツポーズを決めました。
あんなに緊張していた親戚の集まりが、まさかこんなにスッキリ終われるなんて思いませんでした。
今では話題のヒーロー?
その一件以来、親戚との集まりでは以前より肩の荷が下りたように感じています。
勇気を出して言葉にしたことで、場の雰囲気も私自身の気持ちも大きく改善したことに、安堵しています。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:池田みのり
SNS運用代行の職を通じて、常にユーザー目線で物事を考える傍ら、子育て世代に役立つ情報の少なさを痛感。育児と仕事に奮闘するママたちに参考になる情報を発信すべく、自らの経験で得たリアルな悲喜こもごもを伝えたいとライター業をスタート。