親子の関係において、親が子を「信じる」ということは、子どもを支える大切な土台になりますよね。けれど、時には柔軟な考え方や客観的な視点も必要になることがあります。今回は、筆者の友人が興味深い話を聞かせてくれました。
揺るぎない自信のママ友
同じ幼稚園に子どもを通わせるママ友のY美さん。
彼女の口癖は「私は自分の子どもを信じてるから」で、その言葉の通り、子どもの言動を絶対的に信じているように見えました。
「子どもを信じる」、それ自体はとても素晴らしいことです。
しかし、子どもが何か問題を起こしたとしても、Y美さんは「うちの子がそんなことをするわけがない」と、一切の疑いを持たないので、私は内心「少し危ういかもしれない……」とも感じていました。
園で起きた小さな事件
ある日、幼稚園で小さなトラブルが起こりました。
おもちゃの取り合いから口論になり、Y美さんの子どもが私の子どもを押してしまったのです。
私の子どもは後ろに倒れ込み、頭を打って大声で泣き叫びました。
幸い、たんこぶができただけで大事には至らなかったものの、ケガをしてしまったことは事実です。
しかし、Y美さんはやはり「うちの子がそんなことをするはずがない」と、信じ切っていました。
譲れない主張
園はこの件を重く受け止め、私とY美さんを交えて話し合いの場を設けてくださいました。
Y美さんの子どもは「押してない!」ときっぱり主張し、Y美さんもそれを完全に信じ切っています。
目撃していた先生や他のお子さんの証言を聞いても、「うちの子はやってないんだから悪くない。だからこっちが謝るのはおかしい。子どもを信じるのが親のつとめです!」と、頑なな態度を崩しませんでした。
私も感情的にならず事実を淡々と伝えましたが、彼女の心には響かないようでした。