しかしその夜、私のスマートフォンが鳴りました。
画面に表示されたのは「お義父さん」の文字。
海外赴任中で、ほとんど連絡を取ることのない義父からの電話に、恐る恐る応答すると、落ち着いた義父の声が響きました。
「夜分にすまない。娘から全部聞いたよ」と。
なんと、義妹が最後の手段として、すべてを義父に告げてくれたというのです。
義父は力強く、「出ていく必要はない。家も土地も私の名義だ。態度を改めないなら、あの2人に出て行ってもらう。ローンは私が払うから、君は子どもと安心して暮らしなさい」と言ってくれました。
孤独な戦いに現れた最強の味方
義父は昔から、世間知らずな義母と、親に甘えっぱなしの夫を案じていたそうです。
私が苦しめられている現実を知り、「このままではだめだ」と覚悟を決めたそう。
電話を切った後もしばらく手の震えが止まりませんでした。
孤独だと思っていた戦いに、最強の味方が現れたのです。
数週間後、一時帰国した義父に「態度を改めないなら出て行け」と告げられた義母と夫は、慌てふためいて私に謝罪しました。
長く苦しんできた日々は、こうして終わりを告げたのです。
今では義母の嫌味もなくなり、夫も私に愛想を尽かされないよう、家事育児に奮闘しています。
【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。