今回は筆者の知人A子さんの体験談をご紹介します。
アニメにドハマり! 痛バッグも最高の出来
A子さんはとあるアニメにハマっていて、オタク活動に夢中でした。
アニメを何度も見るだけでなく、グッズを買いあさり、コラボカフェなども制覇!
さらにはそのアニメの痛バッグを作って、日頃から愛用していました。
その痛バッグは、缶バッジやぬいぐるみ等をつけるだけではなく、刺繍やフリルを縫い付けた自信作。
ある日もいつものように、自信作の痛バッグを持ってお出かけしていたのですが……。
明らかに嫌な視線。聞こえてくる言葉に落ち込んでいたら
電車に乗ると、近くにいたカップルがA子さんをチラチラ見ていることに気が付きました。
痛バッグを使っていると、知らない人にじっと見られることはよくあるのです。
しかし、そのカップルはこちらをジロジロ見ながら、
「オタクきもすぎ」
「二次元にしか恋出来なさそう、やばい」
などと、明らかにA子さんを馬鹿にする発言ばかりで、ニヤニヤ笑っているのです。
A子さんは言い返すことも出来ないので、俯きながら「早く目的地につきますように」と思っていると……。
あなたの優しい言葉に救われました。本当にありがとうございます
横に座った高齢女性が、
「あなた、これは自分で作ったの?」
そう驚いたように言うと、A子さんの痛バッグを指差したのです。
A子さんは声に出さず頷くと、
「とっても器用なのね!」
と、女性は笑顔になりました。
そのまま話を聞くと、どうやらお孫さんがアニメオタクで、グッズを沢山持っているのだとか。
そのまま会話は続き、
「好きな物に包まれる幸せ」
「人生で好きな物は沢山あればあるほどいいのよ」
などと話してくれました。
気が付くとA子さんが降りる駅だったので、挨拶してそのまま降りたA子さん。
降りる頃には、カップルに馬鹿にされたことなんてすっかり忘れていて、とても嬉しい気持ちになっていました。
沢山褒められて、自分の好きを認めてもらえたことが、本当に嬉しかったのです。
色んな趣味嗜好があるので、人の趣味が苦手な人もいると思います。
それでも「嫌い」を押し付けず、見守ってもらえると嬉しいものです。
あの女性のように、自分も他の人の趣味を「素敵」だと、素直に言える人でありたいと思った出来事でした。
【体験者:30代・女性OL、回答時期:2025年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:Yuki.K
飲み歩きが趣味の元キャバ嬢。そのキャリアで培った人間観察力でコラムを執筆中。すっと人の懐に入ることができる天然人たらしが武器。そのせいか、人から重い話を打ち明けられやすい。キャバクラ勤務後は、医療従事者として活躍していたが出産を機に退職。現在はこれまでの経験で得た人間関係を取材に生かし、主に女性の人生の機微を記事にするママライター。