度重なる暴走に、ついに嫁が下した決断とは──。
今回は筆者の知人から聞いた、家族と向き合う勇気にまつわるエピソードをご紹介します。
席取り依頼
これは息子の小学生の運動会で起こった出来事です。
義父母は毎年張り切って、孫の応援に駆けつけてくれるので、本当にありがたいと思っています。
でも今年ばかりは、やりすぎでした......。
運動会前日、学校から連絡があり、
「おふたりから電話があって“席を取ってほしい”と依頼があったのですが」
と知らされたのです!
暴走する義父母
以前から義父母は、孫の勇姿を見るためとはいえ、非常識な行動を繰り返していたので困っていました。
例えば、早朝から開門前に並んで場所取りをしたり、他の家族のレジャーシートを少しずつずらして私たちの親戚分のスペースを無理やり確保したりしていたのです。
私たち夫婦からは何度も、
「ほかの人の迷惑になるから」
と注意してはいるのですが、まったく聞く耳持たず......。
「昔は自由だった」
「うちは親戚も多いから大丈夫よ」
と笑って流されていました。
とはいえ『今回はさすがに暴走しすぎている』と判断した私たち。
夫と少し相談したあと、改めて担任の先生へ電話をかけて何度も謝罪し、
「こちらで対応します」
と伝えました。
冷静に対処
そして義父母に連絡し、こう注意しました。
「学校の決まりを守れないなら今年は見に来なくていいです」
「さすがに非常識にも程があります」
案の定、義母から抗議の電話があったものの、さすがに堪忍袋の緒が切れた夫が一喝!
「母さんたちはよくても、息子が恥をかくっていい加減分かってくれ!」
「俺たちもルールを守れない人と一緒だと思われたくない」
解決
普段温厚な夫の怒りの声が届いたのか、当日はまだ少し不機嫌そうではあったものの、決められた場所に静かに座っていた義父母。
とはいえ、運動会が進行するにつれて笑顔も見られ、終わった頃には、
「ちゃんと見られてよかった」
とポツリ。
その後、改めて私たちと一緒に担任の先生へ謝罪しに行ってくれました。
今回の件で、近しい間柄だからこそ、曖昧にせずきちんと向き合うことの大切さを学びました。それがお互いを尊重しつつ、より良い関係を築くための第一歩なのだと信じています。
【体験者:30代・女性公務員、回答時期:2025年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:一瀬あい
元作家志望の専業ライター。小説を志した際に行った女性への取材と執筆活動に魅せられ、現在は女性の人生訓に繋がる記事執筆を専門にする。特に女同士の友情やトラブル、嫁姑問題に関心があり、そのジャンルを中心にltnでヒアリングと執筆を行う。