見えない相手の親に疑念も湧くなか、ある“ルール”がきっかけとなり、思わぬ展開が待ち受けていました──。
今回は筆者の知人から聞いた、家族エピソードをご紹介します。
毎日我が家に来る友達
あるときから、小学3年生の息子と放課後になると必ず我が家で一緒に遊ぶ友達がいました。
最初は『仲良しの友達ができたのね』と微笑ましく受け入れていたものの、そのうちその友達は毎日夕食まで当たり前のように居座るように。
お菓子も出し、夕食も作ってあげていましたが、まるで自分の家のようにくつろぐその子の態度にだんだんモヤモヤを抱えるようになりました……。
ルールを作ると?
さらに、その子の親御さんからは一度もお礼の連絡がないのです。
加えて、息子もその子の家に行ったことがないと知った私。
だんだん不信感が募り『都合よく使われている?』とその子やまだ見ぬ親御さんを疑ってしまう気持ちが出てきました。
とはいえ、友達と仲良く遊んでいるだけの息子に罪はありません。
そこで、夕食前には友達に帰ってもらう・我が家に来た友達の親とは連絡先を交換できるようにする、という我が家の“来客ルール”を掲示。
すると、その子はピタリと来なくなったのです!
急な変化に戸惑っていた数日後、その子の親御さんから初めて電話がかかってきました。
衝撃の事実が発覚!
「共働きで、子どもをちゃんと見ていなかった」
「お金だけ渡していたが、ゴミが見当たらず家で食べていない様子で心配していた」
どうやらその子は我が家で食事をとることで、親御さんからもらったお金はお小遣いに回していたことが発覚!
我が家に遊びに来ていたことも黙っていたので、親御さんたちはまったく知らなかったようでした……。
後日、これまでの夕食代としてお金と菓子折りを手土産に、我が家に謝罪とお礼に来てくれた親子。
その子もかなり怒られたのか、
「もう二度とずるいことはしません」
と宣言してくれたので、ほっと安心できました。
ルール化が大切
ルールを決めたことで、私も心に余裕ができ、その後は気持ちのよい関係を築けています。
曖昧な優しさではなく、はっきり伝えることで生まれる信頼があると感じた出来事でした。
【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:一瀬あい
元作家志望の専業ライター。小説を志した際に行った女性への取材と執筆活動に魅せられ、現在は女性の人生訓に繋がる記事執筆を専門にする。特に女同士の友情やトラブル、嫁姑問題に関心があり、そのジャンルを中心にltnでヒアリングと執筆を行う。