『目に入れても痛くない』と、我が子以上に孫を溺愛する祖父母は少なくありません。しかし、溺愛するあまり、周りが見えなくなってしまうようではいけません。孫だけでなく、周囲の人のことも考えられなければ、トラブルに発展してしまう可能性もあるでしょう。今回は筆者の知人男性が『やらかしてしまった』と後悔している孫の誕生にまつわるエピソードを紹介します。

初孫

私には2人の子どもがいます。2人ともすでに成人していて、長男は結婚し家庭を築いています。
そんな長男が、この度『お嫁さんのお腹に赤ちゃんがいる』と報告してくれました。

私にとっては初孫です。
妊娠報告を受け、つい気分が先走ってしまい、お嫁さんに「孫のために今から資金を貯めておくからな」と宣言しました。

性別判明

妊娠報告からしばらく経ち、今度は「性別がわかった」と教えてもらいました。
初孫の性別は男の子。
当初は元気に生まれてくれれば性別はどちらでもいいと思っていたのですが、同性だと一緒に遊べる遊びも多そうだと嬉しい気持ちになりました。

そのため、性別を聞いた瞬間、お嫁さんに「よくやった!」と伝えたのです。
そして「生まれたら海や山に連れて行くぞ! 男の子は怪我をしながら大きくなるものだ」とワクワクした気持ちが抑えられず、いろんな空想話をしました。

雲行き暗転

これまでは息子夫婦は、月に一回のペースで我が家に顔を見せに来てくれていました。
しかし、性別を教えてもらった日を最後に、息子夫婦が我が家へ来なくなってしまいました。

「もしかして、お嫁さんや孫になにかあったのか!?」
悪い想像が膨らみ、こちらから息子に電話をしてみることに。

この電話で思ってもみなかった自分の『やらかし』に気がつくことになるのです!

やらかし

「父さんが嫁に『よくやった』とか『孫のために資金を貯める』とか言うから、跡取りを産んだら子どもを取り上げられるんじゃないかって不安定になってるんだよ。嫁もそういう意味じゃないって理解はしているけど、今は妊娠中で不安定なんだ。しばらくはそっとしておいてくれ」

本当に悪気はなかったのですが、たしかに『(跡取りを)よくやった』『(跡取りの教育しつけのために)資金を貯める』と聞こえてもおかしくありません……。

つい初孫の誕生が楽しみで舞い上がってしまいましたが、今後は息子やお嫁さんの気持ちも考えて行動したいものです。

【体験者:50代・男性会社員、回答時期:2025年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Emi.A
夜の世界での接客業を経て、会社員に転身。その経験を生かして、男女の人間関係を中心にコラムを執筆。結婚と出産の際に会社員として苦労した経験を経て、働く母親世代の思いにも寄り添うべく、執筆業専門に転身。現在は、男女関係、ワーキングマザーのリアルを描くライティングを行う。