なんでも欲しがる息子
小学3年生の息子は、目に入るものすべてを欲しがります。
スーパーでもショッピングモールでも、そしてお祭りでも。毎回「今日は買わないよ」と説得するのも、正直疲れます。
お祭りは誘惑の宝庫!?
先日、私と息子、そして私の母の3人で地元のお祭りに行きました。
通りには屋台が並び、たこ焼き、焼きそば、射的、くじ引き……見るからに誘惑の宝庫。
案の定、息子は歩くたびに「これやりたい!」「あれ買いたい!」と次々に欲求をぶつけてきました。
私は「なんでもかんでも欲しいって言わない!」と注意していました。
そんな中、リンゴ飴の屋台の前で足が止まった息子。赤くつやつやしたリンゴ飴を見て、息子が「これ食べたい!」と言いました。
「どうせ食べきれないでしょう」と私が答えると、「食べられる! 食べたい!」と譲りません。
息子がどうしても譲らなかった“あるもの”
すると横で見ていた母が「せっかく来たんだもん、食べたいよね」と笑いながら買ってくれたのです。
息子は大喜びで飴をかじり始めました。
しかし数分後。「これ、食べきれない……」と情けない声。私は喉まで出かかった「だから言ったでしょ」を飲み込みました。
そのとき母が、「こういうのは一度買ってみるとわかるのよ」と。確かに、その通り。
あれもだめ、これもだめと制限してしまうと、余計に欲しくなります。金額にもよるけれど、実際に経験させてみることでしか分からないこともあるのです。
経験して気付くこと
それ以来、息子は屋台でリンゴ飴を見ても「欲しい」とは言わなくなりました。
「あれ、おいしいんだけど食べきれないんだよ」と、語る息子に、小さな成長を感じました。
リンゴ飴は高くないけれど、息子にとっては大きな学びになったようです。
【体験者:30代・女性パート、回答時期:2025年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:Yuki Unagi
フリーペーパーの編集として約10年活躍。出産を機に退職した後、子どもの手が離れたのをきっかけに、在宅webライターとして活動をスタート。自分自身の体験や友人知人へのインタビューを行い、大人の女性向けサイトを中心に、得意とする家族関係のコラムを執筆している。