子育てをしていると、どうしても周りの子の成長が気になってしまうことってありますよね。「〇〇ちゃんはもうできるのに、うちの子はまだ……」と、つい他の子と比べてしまって落ち込むことも。今回は、子育て中の友人の体験談をご紹介します。
バスの中での大惨事
帰りのバスでは、楽しい雰囲気の中でおしゃべりが続いていました。
ところが突然、後方から子どもの泣き声とざわめきが。
振り返ると、Bさんの息子が座席でお漏らしをしてしまっていました。
後で聞いた話ですが、Bさんの息子は日頃から「失敗しちゃダメ!」「もう完璧よね?」と言われ続けていたため、トイレに行きたいと言い出せないまま、限界まで我慢してしまったそう。
完璧を求める親のプレッシャーが生んでしまった、あまりにも悲しい大惨事でした。
立場が変わった瞬間
パニックになっているBさんを見かねて、私はそっと持参していた着替え一式とおしり拭き、ビニール袋などを手渡しました。
先生が「お子さんのペースが一番大事ですからね」と優しく声をかけると、Bさんは顔を真っ赤にして俯くだけ。
それ以来、Bさんからトイトレの話をされることはなくなりました。
完璧さよりも、子どもが安心して過ごせることこそが、本当の成長の土台なのだと気付かされた出来事でした。
【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。