職場によってはちょうど小腹が空いた頃である15時くらいに、誰かのお土産や差し入れを配って食べる「おやつの時間」があるところもありますよね。今回はそんなおやつの時間に起きた事件を、その真っ直ぐさで見事解決するところを見た経験のある筆者の知人、Tさんのお話です。
「さあ、お待ちかねのコーヒータイムよ」
ある日のコーヒータイム。Rさんがお菓子を配ることになり、いつものようにおとなしい女性社員を飛ばしてお菓子を配り始めました。
「あのー、R先輩」
突然新入社員がRさんに声をかけました。
「なんで〇〇さんには配らないんですか? いつもですよね、アレルギーか何かあるんですか?」
新入社員はRさんが不公平な配り方をしていることを全くわかっていないようで、不思議そうにそう聞きました。
「いや、それは……」
新入社員の教育係を担当していたRさんは何も答えられず、「ごめん忘れてた」と言って女性社員のデスクにお菓子を置きました。Tさんは新入社員によく聞いた! と言いたかったものの、本人はまったくそのつもりがないようなので黙っていました。
それからというものRさんの不公平な配り方はなくなり、皆が安心してコーヒータイムを楽しめるようになったそうです。
忙しい仕事の中の安らぎのひとときで誰かを悲しませるような行為をするのは、された人だけではなく周りの雰囲気を悪くしてしまいますよね。ちゃんと配ってくれるようになって良かったです。天然な人の純粋な一言は最強ですね。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:齋藤緑子
大学卒業後に同人作家や接客業、医療事務などさまざまな職業を経験。多くの人と出会う中で、なぜか面白い話が集まってくるため、それを活かすべくライターに転向。現代社会を生きる女性たちの悩みに寄り添う記事を執筆。