大人には大したことない出来事でも、子どもの目には、まるで世界が終わるかのような一大事に映ることってありますよね。その純粋な反応に、驚かされたり、思わず笑ってしまったり……。今回は、筆者の友人の体験談をお届けします。

パンツ一丁でうつ伏せになり、「ううう……」とうめいています。
生きてる! でも、一体なにが?

救急隊員の方が冷静に、そして少し困ったような顔で私に告げた言葉は、予想外のものでした。

「奥さん、落ち着いて。ご主人、ぎっくり腰ですね」

当たり前の日々に感謝

ぎ、ぎっくり腰……?
その言葉を理解するのに、数秒かかりました。

少し落ち着いてから詳しく聞くと、夫は脱衣所で服を脱いでいる途中、お風呂の床に石鹸が落ちているのに気づいたそうです。その石鹸を拾おうとして、突然ぎっくり腰になってしまったのだとか。

動けずにいる夫の姿を見た娘は「パパが死んじゃう!」とパニックになってしまったのです。

結果的に命に別状はなく、本当にホッとしました。

夫はその後、念のため病院へ。
今では笑い話ですが、本当に生きた心地がしなかった、あの数十分──。
家族が無事であることのありがたさを、これほど痛感した日はありません。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年6月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。