母親
私は母親と妹の3人家族でした。
母親には可愛がられたという記憶がなく、中学生くらいから明らかに折り合いが悪くなりました。
私はアルバイトでお金を貯め、高校卒業と同時に家を出ることに。
妹は母親と仲が良かったため、自然に妹とも疎遠になり、就職してからはほとんど実家に帰ることもありませんでした。
結婚
私が27歳の頃、職場で知り合った男性と結婚をすることになり、心の中では複雑な思いがありましたが、結婚の報告のため実家へ挨拶に行きました。
私が母親と折り合いが悪くなったきっかけは、母親が何でも私のことを否定したこと。
予想通り、私の結婚相手を品定めし、驚いたことに母親は収入をあからさまに聞いたのです。
私は呆れ果てて、実家とは今後付き合わないようにすることを決めました。
私の過去を知った夫も「仕方ないよね」と了承してくれたので、結婚式は挙げず、両家の顔合わせなどもしないことにしたのです。
電話
結婚してから数年後、いきなり母親から電話がかかってきました。
最初は無視していたのですが、あまりにしつこくかけてくるので、根負けして対応することにしたのです。
すると「ちょっとお願いがあるんだけど。お金貸してくれない?」と言い出しました。
事情を聞くと、どうやら母親と妹はパチンコでお金を使いこんで、借金が膨れ上がっているとか。「あんたの母親と妹が困ってるんだから、何とかしてよ!」と言われたのです。
決定打
私にとっては「はぁ?」という話で、到底受け入れられない要求でした。
無理だと断ると、電話の向こうでは母親が昔のように口汚く私を罵り、終いには「あんたなんか産まなきゃよかった!」と吐き捨てるような暴言。
今までも母親に期待したことはありませんでしたが、この一言が私にとっては決定打になりました。怒鳴りまくる母親の声を聞きながら、電話を切り、着信拒否に設定したのです。
反面教師
私はその後、2人の娘を授かりました。
自分も母親になりましたが「産まなければ良かった」と自分の子どもに言い放つ母親の気持ちは、絶対に理解できません。
私は母親を反面教師として、子育てを頑張ろうと思っています。
【体験者:30代女性・主婦、回答時期:2025年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:RIE.K
国文学科を卒業し、教員免許を取得後はOLをしていたが、自営業の父親の病気をきっかけにトラック運転手に転職。仕事柄多くの「ちょっと訳あり」な人の人生談に触れる。その後、結婚・出産・離婚。介護士として働く。さらにシングルマザーとして子供を養うために、ファーストフード店・ショットバー・弁当屋・レストラン・塾講師・コールセンターなど、さまざまなパート・アルバイトの経験あり。多彩な人生経験から、あらゆる土地、職場で経験したビックリ&おもしろエピソードが多くあり、これまでの友人や知人、さらにその知り合いなどの声を集め、コラムにする専業ライターに至る。