それが大切な友人であったら? 2人の乳幼児のママである友人宅へお邪魔した時の筆者の体験談です。
年子育児の大変さ
その日、私は学生時代からの親友T子の家にお邪魔していました。
T子は2歳と1歳の2人の女の子を育児中のママです。
子どもたちは年齢相応に元気に動き回り、常に目が離せません。
当時私は独身で実家住まいでしたが、近くに住む兄家族から甥と姪の子守りをよく頼まれていたので、わずかながら育児の経験がありました。
「今が一番大変な時だけど、この先楽になるよ。子どもってほんとかわいいよね」
深く考えず、労う気持ちで私は口にしました。
しかしそれを聞いたT子の顔は曇り、うつむいてポツリと一言。
「子育てしたことない人に言われたくない」
普段のT子からは想像もつかない思いつめたような表情でした。
言葉が凶器となる時
私は猛烈に反省しました。
週末にちょっと子どもを預かったくらいで、育児を分かっている風な言い方をしてしまったこと。
365日24時間2人をお世話をしているT子からしたら、足元にも及ばないような育児経験です。
「ごめんね、気が回らなかった」
それに対してT子は、
「こっちこそ嫌味な言い方してごめん。でも子ども産んだら分かるよ。フフフ」
不敵な笑みを浮かべました。
子育てのなんたるかを知った
数年後、結婚、出産した私はT子の言葉を身をもって理解しました。
子どもはいとおしく、かけがえのない宝物です。
しかし育児は一筋縄ではいかないことも多く、悩んだり不安になったり、試行錯誤しながら私自身も子どもと一緒に成長してきたな、と思います。
T子とはお互いの子どもが大きくなった現在も仲良くしており、この時の話は笑い話になっています。
【体験者:40代・筆者、回答時期:2025年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:田辺詩織
元医療事務、コールセンター勤務の経験を持つ在宅ワーカー。文学部出身で、文章の力で人々を励ましたいという思いからライターの道へ。自身の出産を機に、育児ブログを立ち上げ、その経験を生かして執筆活動を開始。義実家や夫、ママ友との関係、乳幼児期から中学受験まで多岐にわたる子育ての悩みに寄り添い、読者が前向きになれるような記事を届けている。