自宅でネイルサロンをオープン
Yさんは独身時代にネイリストとして働いており、結婚をして子どもが小学校に上がったのをきっかけに自宅マンションの一室でネイルサロンをオープンしたばかり。
子どもがいるので1日に沢山のお客さんを施術できるわけではありませんでしたが、SNSでコツコツ宣伝活動をしていたことや、Yさんの腕の良さから予約の絶えない人気サロンになりました。
特に子どもが同じ小学校のママ友からの予約も多く、なかには親しくお付き合いしているママ友が子どもを連れてやってきて、Yさんの子と遊んでいる横で施術をすることもありました。
「いつも安くしてくれてありがとう!」
「全然、うちの子と遊んでくれてるし」
仲の良いママ友は友達価格で、本来の価格より大幅に割引した価格で施術をしていました。これは、日頃の感謝の気持ちと、今後も良好な関係を築きたいというYさんの思いから、通常料金の半分程度の価格で提供していたものです。
そんなある日、数回一緒にお茶をしたママ友から「ネイルお願いしたいんだけど」というLINEが来ました。
そのママ友とYさんはあまり親しいわけではなかったものの、お客さんが増えるのはありがたいと「OK! いつにしますか?」と希望の日時を聞き、予約を受けました。その際、Yさんは事前にLINEで、友人向けの特別価格メニューをいくつか送り、通常価格より大幅に割り引いた金額であることを伝えました。その中から希望のコースを選んでもらう形です。
お会計をしようとすると……
予約当日。例のママ友はYさんの家に上がるなりこう言いました。
「今日はよろしく! 友達価格でお願いね」
「え? あ、うん」
事前にLINEで友達価格のメニューを送っていたため、改めて言われることにYさんはなんとなくモヤモヤしつつも施術を始めました。
「ストーン盛り盛りのキラキラにして!」
ママ友は事前に伝えていた友人向けメニューの中からYさんのお店の中でも一番高いコースを選択し、とにかく派手にしてくれと頼み、Yさんは注文通りにキラキラのネイルを仕上げました。
「やっぱり上手ね」
ママ友はうっとりと指先を見つめて言い、満足してもらえてよかったとYさんはホッとしました。