恋愛も結婚も、なかなか思い描いていた通りには進まないもの。ほんの少しの判断ミスや、見えていなかった現実が、後になって心に重くのしかかってくることもあるようです。今回は筆者の知人のエピソードをご紹介します。
運命だと思った恋
当時、私はある企業で働いていて、彼とは職場で出会いました。
彼が既婚者であることは、最初から知っていましたが、穏やかで優しい彼に惹かれ、気持ちを抑えることができなくなってしまったのです。
彼が「妻とは会話もなく、家庭はとっくに壊れている」「君といる時だけが安らげる」と寂しそうに微笑むたびに、私の心は罪悪感よりも「私が彼を救いたい」という思いで満たされていきました。
いつの間にか、私は「彼の隣にいるべきなのは自分だ」と本気で信じるようになっていました。
ついに手に入れた「妻」の肩書き
やがて、私たちの関係は彼の妻に知られてしまい、社内でも噂が広がりました。
好奇の目に耐えきれなくなった彼は、会社を辞めて転職することに。
その後、壮絶な話し合いの末にようやく彼の離婚が成立。
晴れて私は彼の“正妻”になり、輝かしい未来を想像して幸せの絶頂にいました。
……しかし、現実は思っていたほど甘くありませんでした。