満員電車で突然、見知らぬ男性に膝の上にリュックを置かれたB子さん。
迷惑に感じつつも、怖くて何も言えずにいると、隣の女性がユーモア交じりに助けてくれて――。

満員電車で、驚きの迷惑行為

その日、私は帰宅ラッシュの満員電車に乗り、運良く空いていた席に座ることができました。
仕事で疲れ切っていたので、ホッと一息ついたのも束の間。

目の前に立っていた50代くらいのスーツ姿の男性が、突然私の膝の上にリュックを置いてきたのです。
そのリュックの上部を手で持ってはいるものの、底の部分が完全に私の膝にのっている状態で、明らかな重さを感じます。

「えっ……?」
思わぬ事態に、私は思わず固まってしまいました。

怖くて何も言えない

確かに、満員電車での移動は疲れますし、荷物を持つのも大変です。
それでも、見ず知らずの人の膝の上に荷物を置くという行動は、到底許されることではないと思いました。

驚きと不快感でいっぱいになりましたが、相手は年上の男性ですし、何よりこんなに非常識な行動を取る人です。
何か言って逆上されたらどうしようと、怖くて何も言えませんでした。

ただじっと我慢して、膝にかかる重みに耐えていると――。

思わぬ救世主

「ちょっと〜、若い子の膝の上にそんなもののせて、かわいそうじゃない! 置くなら私の膝に置きなさいよ〜(笑)」

突如、隣に座っていた女性が声を上げてくれました。
その口調は明るく冗談めいていましたが、しっかりとした抗議のニュアンスも込められていました。

男性はバツが悪そうにリュックを持ち上げ、次の駅で何も言わずにそそくさと降りていきました。
その瞬間、重みとともに心のモヤモヤも少し軽くなった気がしました。

まとめ

「ありがとうございます」
お礼を伝えると、その女性は笑顔で「怖かったでしょ。たぶん、若い子なら何も言わないと思ったのよね」と言ってくださいました。

その言葉を聞いて、改めて女性の善意に胸が熱くなりました。

公共の場では、ときどき常識では考えられないような行動をする人に出会います。
今回も、本当は私自身が毅然と注意できたらよかったのですが、恐怖心が勝ってしまいました。

あの女性のように、自然な言葉で助け舟を出してくれる人の存在は本当にありがたかったです。

【体験者:30代女性・会社員、回答時期:2025年5月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:大城サラ
イベント・集客・運営コンサル、ライター事業のフリーランスとして活動後、事業会社を設立。現在も会社経営者兼ライターとして活動中。事業を起こし、経営に取り組む経験から女性リーダーの悩みに寄り添ったり、恋愛や結婚に悩める多くの女性の相談に乗ってきたため、読者が前向きになれるような記事を届けることがモットー。