「Fさんが手作りするって言うから期待できないと思って。案の定しょぼいケーキね。さ、こっちを食べましょう」
お姑さんは、Fさんの手作りケーキを一瞥するなり、馬鹿にしたような言葉を吐き捨てました。そして、Fさんの作ったケーキをテーブルの隅に追いやろうと、ぞんざいに皿を押しやりました。
その瞬間、
「あっ!」
なんと勢いあまってしまったのか、ケーキを乗せた皿は、テーブルから床へと滑り落ち、見る影もないほどぐちゃぐちゃに散乱してしまいました。
「ひどい…… !」
床に落ちた、Fさんの手作りケーキを見て、Fさんの娘は大声を上げて泣き出しました。
「ほら、大丈夫よ。誕生日ケーキはここにあるから」
お姑さんがそう言ったものの、娘は「ばあばのケーキいらない!」の一点張り。
娘が泣き止まないため誕生日パーティーは中止になり、その一件でお姑さんは娘から距離を置かれることになってしまったそうです。
そして旦那さんからお姑さんに、しばらくの間Fさんの家への訪問を控えるよう通告してもらったそうです。
裏目に出た過剰な介入
Fさんの長年の苦しみを理解せず、過剰な介入を続けたお姑さんの行動は、最終的に最も大切な孫との関係を壊す結果となりました。意図したことではないとはいえ、大切な手作りケーキをぞんざいに扱い、娘の心を傷つけたお姑さんの行動は、長年の「嫁イビリ」の延長線上にあるものでした。
今回の出来事は、お姑さんの過剰な「張り切り」や「支配欲」が、いかに周囲を傷つけ、そして最終的に自分自身に跳ね返ってくるかを示す象徴的な出来事となりました。
【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:齋藤緑子
大学卒業後に同人作家や接客業、医療事務などさまざまな職業を経験。多くの人と出会う中で、なぜか面白い話が集まってくるため、それを活かすべくライターに転向。現代社会を生きる女性たちの悩みに寄り添う記事を執筆。