「同居だけは絶対にしない」──そう心に決めて結婚したA子。しかし、人生は思い通りにいかないものです。姑との同居という譲れなかった条件を飲むことになった彼女を待っていたのは……!?
今回は筆者の知人A子から話を聞きました。
今回は筆者の知人A子から話を聞きました。
「あなたのほうが楽しいわ」と言われて
ある日のこと。夕飯の片づけを終えた後、義母と並んで座っていたときのことでした。
「実の息子より、あなたと話してる方が、ずっと気楽で楽しいわ」
その一言に、不意に胸の奥がじんわりと温かくなるのを感じました。
「そんな風に思ってくれてたんだ……」
嫁と姑。そんな枠を超えて、人と人として信頼しあえる関係になれた気がして、本当に嬉しかったです。
同居は「苦しみ」ではなかった
母から繰り返し聞かされていた「同居は苦労の始まり」という言葉。私はその影響を、ずっと心のどこかで引きずっていました。
けれど、実際の同居生活は、私の想像とはまったく違っていました。
もちろん、気を使う場面もあるし、ちょっとしたすれ違いもゼロではありません。でも、それ以上に、肩の力がふっと抜けるような瞬間や、思わず笑ってしまうような時間がたくさんあったのです。
「同居=苦労」と決めつけていたのは、私自身だったのかもしれない。そう思えるようになった今、私はもうあのころの「呪文」から自由になれた気がしています。
【体験者:40代・女性主婦、回答時期:2025年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Yumeko.N
元大学職員のコラムニスト。専業主婦として家事と子育てに奮闘。その傍ら、ママ友や同僚からの聞き取り・紹介を中心にインタビューを行う。特に子育てに関する記事、教育機関での経験を通じた子供の成長に関わる親子・家庭環境のテーマを得意とし、同ジャンルのフィールドワークを通じて記事を執筆。