何かと“免罪符”を求めてくるママAさん
「うちは仕事が忙しいから、みんなより大変なの」
娘の小学校の保護者Aさんは毎年、係決めのたびにそう言ってはサラリと逃げていきます。でも正直、それを言い出したらキリがない。
クラスには、育児にフルタイム勤務、介護中の人だっています。シングルマザーもシングルファザーもいます。それでも何とかやりくりして、みんなで役割を分担しています。
それが“持ち回り”のはず。それなのにAさんは会合には一度も来ず、LINEも既読スルー。
それでいて、決まったことには「効率悪くない?」「考えが古いよね」「オンラインでよくない?」と鋭くご意見だけは連投してくるのです。
久々に現れたAさんの第一声は、まさかのクレーム
そんなAさんが、先日のPTAイベントにふらりと現れました。
どこから情報を仕入れたのか知りませんが、「え、パンフ足りないの? 準備不足じゃない? こんなの最低限じゃない〜」と第一声がまさかの文句。
一生懸命活動している身としては、こういうのが一番腹が立ちます。
ハッキリと伝えた“しっかりママ”の神対応
そこにタイミングよく現れたのは、過去にPTA会長を務めた“しっかりママ”Bさん。
ピリついた場を和ませながら、こう言いました。
「Aさん、来てくれたんですね! 今年はどの係でしたっけ? 見かけないから心配してたんですよ〜」
一瞬でAさんの顔がフリーズ。「えっ、あの……相変わらず忙しくて」と蚊の鳴くような声。
Bさんはにっこりしながら、
「そうなんですね。でもみんな忙しい中で分担してやってるから、ちょっとずつでも関わってもらえると助かりますね〜。みんな一生懸命協力してくれているんですよ〜」
周囲はあえて黙っていたけど、心の中では拍手喝采だったと思います。
Aさんはその後、スーッと帰っていきました。
忙しいのは、あなただけじゃない
“私だけ特別”を貫くには、少々無理があるのがPTA。今の時代、PTAがなくなる、保護者の負担軽減というニュースも耳にしますが、この学校ではまだまだ先の話。
みんな何かを抱えている。忙しいのはお互い様。
事情があって参加できないのは仕方がありませんが、参加できないなら、せめて文句は言わないでほしいと思った出来事でした。
【体験者:30代・会社員、回答時期:2025年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Yuki Unagi
フリーペーパーの編集として約10年活躍。出産を機に退職した後、子どもの手が離れたのをきっかけに、在宅webライターとして活動をスタート。自分自身の体験や友人知人へのインタビューを行い、大人の女性向けサイトを中心に、得意とする家族関係のコラムを執筆している。