両親が娘を問い詰めると、とんでもない事実が発覚
封書の中身は、「娘が借りた学生向けローンの督促状」だったのです。おそらく、娘にお金を貸したローン会社が、本人からの返済がないため、あえて実家である我が家に送ってきたのでしょう。
借りた金額は10数万円と少額でしたが、問題は「なぜ娘が、親に内緒で借金をしているのか」です。私はすぐに旦那と一緒に娘の住むマンションを訪問し、娘を問い詰めました。
するとなんと、娘は『友人を紹介したり商品を売ったりするとお金がもらえる【マルチ商法】』に巻き込まれていたのです。話を聞く限り、学生を標的にした団体で、一見サークル活動のように見えるため、娘本人も最初はマルチだと気づいていなかった様子。
親からの仕送りやローン会社からの借金で、商品を購入したりセミナーに参加したりしていたとのことでした。しかし幸いにも、娘は次第に「あやしい団体に参加してしまったかも」と疑うようになり、「もう辞めたい」と思っていたところだったそうです。
それを機に、娘は団体と連絡を断ちました。その後は私にお金を催促してくることも、黙って借金することもなく無事に大学を卒業しましたが、「もしあの時、娘がマルチ商法の団体に心酔していたら、どうなっていたのだろう」と思うと、今でもゾッとします。
【体験者:60代・女性・無職(年金受給者)、回答時期:2025年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Hinano.N
不動産・金融関係のキャリアから、同ジャンルにまつわるエピソードを取材し、執筆するコラムニストに転身。特に様々な背景を持ち、金融投資をする女性の取材を得意としており、またその分野の女性の美容意識にも関心を持ち、日々インタビューを重ね、記事を執筆中。