「その場を丸く収めたつもりが、子どもの心を傷つけていた――」
そんな後悔をしたこと、ありませんか?
筆者もそのひとりでした。
母として、目の前のトラブルを穏便に解決しようとベストを尽くしてきたつもりでした。
ところが、ある日夫からのひと言で自分の対応が“本当に守るべきもの”を見失っていたと気づかされることになったのです。

ママ友の息子はワガママな性格

子ども同士が同級生だと、ママ同士も自然と仲良くなるもの。
私には、よく一緒に遊ぶママ友Aさんがいました。
ただ、彼女の息子・B君はちょっぴりワガママ。いや、正直に言えば“相当”ワガママ。

「これ僕の!」借りるのはOK、でも貸すのはNG?

B君は人のおもちゃは平気で借りるのに、自分のものは絶対に貸さないタイプ。
遊びの場面でのトラブルは日常茶飯事で、うちの息子とも何度か揉めたことがありました。

ある日、我が家でB君とうちの息子がゲーム機を巡って大げんか。
「じゃんけんで決めたら?」と私が提案すると、2人とも納得してじゃんけんをし、息子が勝ちました。

勝ったのに……泣いた者勝ちの空気に

ところが、負けたB君は突然大泣き。
「僕がやりたいの! 今すぐ使いたい!」と地団駄を踏んで叫び出し、まさに癇癪状態。
その空気に耐えられず、私はつい「B君に先に貸してあげたら?」と息子に言ってしまったんです。

息子は「じゃんけんで勝ったのに、なんで僕が我慢するの……」とポツリと泣き始めました。
それでも私は「とにかく静かにしてほしい」と、無理やりゲームをB君に渡させてしまいました。