はじまりは小さなことだった
新しい家に引っ越してきたばかりの頃のことです。
お隣と我が家の間にはフェンスがあったのですが、何かの遊びなのか、お隣に住む小学生が我が家の庭にボールやおもちゃを投げ込んでくることがありました。
最初は「まあ子どもだし、仕方ないかな」なんて、あまり気にしていませんでした。
それがだんだんエスカレートして、花壇の花が折れたり、大事に育てていた植物が傷ついたり……。ちょっと困ったな、と思い始めました。
とはいえ、まだこのときは、大ごとにはしたくないという気持ちが勝っていました。
さすがに我慢できない!
そんなある日、お隣から投げ込まれたボールが、停めてあったうちの車にゴンッ! と直撃しました。
さすがにこれは見過ごせず、夫が「なるべく気をつけていただきたい」とお願いしに行ったのですが……
返ってきたのは謝罪ではなく「子どもが遊んでるだけだから、そんなに気にしなくても」という言葉。
さらに、「フェンスが低いから仕方ないでしょ」と、まるでこちらが悪いかのように言われ、びっくりしてしまいました。
悩んだ末の決断
何度お願いしても状況は変わらず、ますます悪くなるばかり。
私たち夫婦は「このままではダメだ」と相談し、ついに庭に高い塀を建てることにしました。
ただ、いきなり工事するのはよくないと思い、市役所に確認したり、建築基準法を調べたり、境界線もしっかりチェックしました。
法的に問題がないことを1つ1つ確かめて、ようやく工事に踏み切ることに。
正直、ここまで慎重にやらないといけないのかと、ちょっと疲れもしましたが……それでも、自分たちの暮らしを守るためには必要なステップでした。
暮らしを守るために
塀が完成間近になった頃、工事関係者の人がお隣から「日当たりが悪くなったんだけど」と文句を言われたそうです。
でも、こちらはすべて正当な手順を踏んでいますし、後ろめたいことは一切ありません。むしろ「フェンスが低いから」と言ってきたのはお隣のほうです。
これまではできるだけ我慢してきたけれど、やはり自分たちの生活を守るためにはやむを得ないこともあるんだな、と今回改めて感じました。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年3月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。