筆者の息子は、4歳ごろから吃音(きつおん)の症状に悩んでいました。専門機関や療育に通っても症状はなかなか改善されず、小学校へ上がると少しずつ周囲から好奇の目で見られることが増えていったのです。

吃音(きつおん)

吃音(きつおん)とは、話す時に言葉がスムーズに出てこない状態のことです。
息子の場合は、最初の言葉が出にくく、苦しそうに顔が真っ赤になったり、身体中に力を入れたりすることがありました。

吃音外来の先生には、周囲の理解がとても大事だと教えてもらっていたので、入学前から学校側と話し合い、せめて同じクラスの子どもたちや保護者だけにでも理解してもらえるよう働きかけを行ってきました。

でも、ある時同じクラスの保護者からとんでもない陰口を言われたのです。

授業参観

ある年の授業参観、子どもたちは国語の時間で作文を読むことになっていました。
人前で話す緊張は、吃音の症状を強くしてしまうため、息子は最初から言葉が出ませんでした。
なかなか言葉の出ない息子はとても苦しそうでしたが、クラスの友だちは「大丈夫!」「頑張れ!」などと励ましてくれていたのです。

しかし、私から少し離れた所にいた保護者が「何か、変な話し方だよね? あれってうつるんじゃない?」と言っているのが聞こえました。
今までさんざん吃音に関する話をしてきたのに、子どもよりも大人が理解がないことに私はショックを受けました。