PTA会長に立候補したカッコいいA子さん
年度末に行われた小学校の授業参観。
その後は、保護者懇談という名の次年度のPTA役員選出の時間です。
まず立候補者を募り、いなければくじ引きになります。
誰もが息を飲み、静まり返る中、勇気を振り絞ったかのように「はい!」と手を上げた一人のママ、A子さんがいました。
「スゴイ……!」「ありがとう」など皆から歓声と大きな拍手喝采を浴びました。
その他の役員は他学年からくじで選出された人たちで、唯一立候補だったA子さんが会長になりました。
「立候補して会長なんて、カッコいい!」と周りのママたちの中には、A子さんを崇める人も現れるほどでした。
副会長だったB美にバッタリ
それから、1年が過ぎたとき、ママ友のB美に偶然スーパーで会いました。B美は、くじでPTA役員になり、副会長を務めた友人です。
「1年間大変だったよね、お疲れ様でした」というねぎらいの言葉をかけると、なんとB美は泣き出してしまったのです。
B美の話を聞き、私は耳を疑うような1年間のPTA活動の実態を知ることになるのです……。
信じられない言動
ワーママで副会長を務めたB美は、仕事が休めなくてPTAの会議に参加できないこともあったようで、そのたびに専業主婦のPTA会長A子さんから、
「ずるい」「仕事休めないのか」など責められていたと言うのです。
さらに、A子さんは他の専業主婦の役員と親しくなり、その2人から「子育てを丸投げしてお金を優先してる」などという心ない言葉まで受けていたとのこと。
また、A子さんは校長先生に文句を言うことも多く、「会議や式典に着ていく服がない」「買いたいから学校が出すべき」などの信じられない言動が次々と飛び出し、役員同士の雰囲気もギスギスしたものに。
PTAって本来は
B美には心の傷が残り、もう二度とPTAをやりたくないと言います。
たまたま一緒に活動したメンバーにそのような人がいたら、無理もありません。
蓋を開けてみないとわからないのがつらいところです。
昨今、PTAの加入者の減少や、PTAの廃止なども聞くようになりましたが、子どもたちのために、先生と保護者同士が協力し、あたたかい活動ができるよう願うばかりです。
【体験者:40代女性・会社員、回答時期:2025年3月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:長橋知子
38歳で未経験からWEB広告制作の在宅ワークに挑戦し、セールスライター・WEBライターとして活動をスタート。読者に寄り添うライティングを大切にしている。特に、人間関係や育児、地域活動、女性の生き方に関するテーマが得意。また、noteで赤裸々エッセイを発信し、Kindle書籍も出版。「どんな自分でも生きていける」社会の実現を目指して奮闘中。