我が物顔で、やりたい放題の親子のせいで、ついに娘が泣いてしまい――。
そんな空気を一変させてくれたのは、他のママ友の “ある一言” でした。
誕生日の娘より目立ったドレスで、、、
先日、5歳の娘、D子の誕生日パーティーを開きました。
幼稚園のお友達を招き、飾りつけやケーキの準備にも力を入れて、娘もとても楽しみにしていた特別な一日です。
さて当日、みんなが集まって笑顔でお祝いを言ってくださる中、到着したA美親子を見て、私は少し胸がざわつきました。
というのも、A美の娘さんが、まるでお姫さまのようなゴージャスなドレスを着ていたからです。
もちろん、子どもたちが好きな格好で来るのは自由です。
でも、主役である娘よりも目立っているので、正直モヤモヤとした違和感が抑えられませんでした。
娘の涙
その違和感は、やがて確信に変わりました。
バースデーケーキのロウソクに火をつけたときです。
娘が嬉しそうに顔を近づけたその瞬間、A美の娘がいきなり、横から火を吹き消してしまったのです。
D子は一瞬、何が起きたのかわからないようでしたが、すぐに目にいっぱいの涙をため「私のお誕生日なのに……」とぽつり。
さらに、その子は、娘がもらったプレゼントを勝手に開けてしまい、もう好き放題。
せっかく楽しみにしていた日なのに、娘が泣いてしまい、胸が張り裂けそうになりました。
他のママ友が、ぴしゃり!
私は意を決して、A美に「今日はD子の誕生日。みんなが楽しむのはいいけれど、ちょっと度が過ぎていると思う」と声をかけました。
すると彼女は、明らかにムッとした様子で「はぁ? 子供はみんな主役でしょ? 我慢させるなんてかわいそう。誕生日だからって、D子ちゃんのほうがワガママなんじゃないの?」と反論してきたのです。
あまりの言い草に、私は言葉を失ってしまいました。
しかしその時、その場にいた他のママ友がぴしゃり。
「あなたの教育方針のせいで、D子ちゃんがずっと我慢してたのよ! 」
その場は一気に静まり返り、空気が変わったのを感じました。
みんなが白々とした目をA美親子に向け、さすがにいづらくなったのか、彼女たちはそそくさと帰っていきました。
価値観の違い
それ以来、ママ友みんな、A美親子をどんな集まりにも呼ばなくなりました。
「子供はみんな主役」という考えは最もですが、「誰かの特別な日」を大切にできないのは、やっぱり違うと思うのです。
子どもを通じた付き合いの中で見えてきた、親同士の価値観の違い。
あの日の娘の涙は、ずっと私の心に残っています。
【体験者:30代女性・専業主婦、回答時期:2025年3月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:大城サラ
イベント・集客・運営コンサル、ライター事業のフリーランスとして活動後、事業会社を設立。現在も会社経営者兼ライターとして活動中。事業を起こし、経営に取り組む経験から女性リーダーの悩みに寄り添ったり、恋愛や結婚に悩める多くの女性の相談に乗ってきたため、読者が前向きになれるような記事を届けることがモットー。