「うちはお金がないから」。そんな言葉に縛られて育った人、意外と多いのではないでしょうか。欲しいものを我慢し、進学を諦めた筆者の知人A子は、社会人になってから母の驚きの真実を知ることになりました。

「お金がない家」で育った少女の我慢の日々

A子の家は共働きで、決して生活に困っていたわけではありませんでした。ただ、母の口癖は「無駄なものは買わない」。

それは徹底していて、誕生日のケーキすら菓子パンで代用されるほど。

ある日、友達の誕生日会があり、参加者全員で100円ずつ出し合ってプレゼントを買うことになりました。A子は母親に相談しましたが「そんなお金はない」ときっぱり断られ、結局お金を出してもらえませんでした。

このような経験が何度も重なり、A子は次第に「うちは本当にお金がないんだ」という思い込みを抱きながら成長していったのです。

進学か就職か、迷う間もなく選ばされた現実

高校に進学したA子は、夢の実現のため大学進学を考えていました。でも、母から告げられたのは「できれば就職してほしい」という一言。

姉も高卒で働いていたため、A子も同じ道を選ばざるを得ませんでした。

「仕方ないよね、うちには余裕がないんだし……」そんな思いで、夢を心にしまいました。

突然知らされた母のご褒美に、胸がざわつく

それから数年後、社会人として頑張っていたA子の元に、母から突然の連絡が。

「引っ越すの。自分の誕生日プレゼントにマンションを買ったのよ」

耳を疑いながら訪ねてみると、そこには高級家具が並ぶ新築マンション。

これまで「お金がない」と言われ続けていたのに、母は自分のためにお金を貯めていたのです。A子の心は複雑な思いで重くなりました。