中学生になった途端、忘れ物が増えた息子についイライラし、激しく叱ってしまったA子。
しかし、元カウンセラーの友人から受けた<あるアドバイス>のおかげで、息子の心の内を知ることとなりました。

忘れ物が多い息子にストレス

中学生になった途端、息子の忘れ物が急増しました。
教科書、体操服、提出物――何度も学校から「お母さんからも注意してください」と連絡が入るほどで、私も次第にストレスを感じるようになっていました。

「どうしてこんなに注意散漫なの?」
小学生の頃はそこまでひどくなかったのに、中学に上がった途端にこれでは先が思いやられます。

毎朝「忘れ物はない? ちゃんと確認したの?」と声をかけるのですが、結局何かを忘れていく息子に、私はついに「しっかりしなさい!」と激しく怒ってしまいました。

しょんぼりとした息子を見て、心が痛みましたが、ここで雷を落としておかなければ、どんどんだらしない人間になってしまうと不安だったのです。

「それ、ストレスが原因かもしれないよ」

この件を友人のC美にこぼすと、「それ、ストレスが原因かもしれないよ」と言われ、私は戸惑いました。
「えっ?」

「環境が変わったことで、心に色々とため込んでしまっているんじゃない? ただ忘れ物をするなと怒るより、学校のことを聞いてあげたほうがいいと思う」

実は、その友人は元心理カウンセラー。
私は、目から鱗でした。

「なるほど、息子が抱えている不安やストレスに、親の私が気づいてあげれていなかったのかもしれない」
その日から、帰宅した息子に「今日、学校どうだった?」と聞いてみることにしました。

息子の気持ち

始めの数日間、息子は「別に」と返すばかりでしたが、毎日声をかけ続けていると、次第にぽつぽつと答え始めてくれました。

「勉強する科目が増えて、宿題も多くて大変なんだ」
「部活と勉強の両立が難しい」
「友達関係も気を遣うことが多くて、気疲れする」

息子は中学という新しい社会の中で、思い悩みながらも精一杯頑張っていたのです。
C美の言う通り、忘れ物は単なる不注意ではなく、ストレスや疲れの現れだったのだとわかりました。

まとめ

その後も私は、毎日「今日、学校はどうだった?」「今、心配事はない?」と声をかけるようにしています。
息子も話すことで頭が整理されるのか、積極的に会話をしてくれます。

最近では、徐々に中学にも慣れてきたと嬉しそうにしていて、気づけば忘れ物の回数も減っていきました。

私はこれまで、「忘れ物をする=だらしがない」と思い込んでいました。
しかし実際はそうではなく、息子は息子なりに、新しい環境の中で戦っていたのですね。

親として、子どもの行動の裏にある気持ちにもっと目を向けていこうと思った出来事でした。

【体験者:40代女性・パート主婦、回答時期:2025年3月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:大城サラ
イベント・集客・運営コンサル、ライター事業のフリーランスとして活動後、事業会社を設立。現在も会社経営者兼ライターとして活動中。事業を起こし、経営に取り組む経験から女性リーダーの悩みに寄り添ったり、恋愛や結婚に悩める多くの女性の相談に乗ってきたため、読者が前向きになれるような記事を届けることがモットー。