ママ友・Y子
息子は転校先で卓球部に所属しました。
だいぶ引っ越し先にも慣れてきて、同じ卓球部のママ友と仲良くなったのですが、その中にY子といういつも派手な格好をしている人がいました。
ある日、息子の部活の大会があり、私は会場まで送迎をすることに。
すると、同じく送迎していた部活のママ友たちで、お迎えの時間までお茶をしようという話になり、その中にはY子の姿もありました。
部活の費用
みんなで話をしていると、部活にも費用がかかるという話題になりました。
卓球部はユニフォーム・シューズ・ラケットなどを揃えなければならず、入部の際に2万円ほどの費用がかかっていたのです。
「公立の学校の部活でもこんなにかかるんだねぇ。」とあるママ友が言うと、みんなが賛同。
しかし、Y子は「え? そう? 大したことないじゃない。」とケロッとした顔で言いました。
え? 6万円?
すると別のママ友が「S君(Y子の息子)がすごい有名な選手のモデルのラケット持ってるって、うちの息子が羨ましがってたよ!」と言いました。
「あ~、あれはラケットで6万円くらいだったかな?」とY子。
卓球はラケットだけではなく、ラケットに張るラバーというものが必要です。
息子たち1年生は初心者用のラケット・ラバー(両面)・ラケットケース込みで1万円くらいの物を使っていました。
金額はもちろん、プロ並みの製品を初心者の子どもに与えていることに、私は驚きを隠せませんでした。
すねかじり
後日、他のママ友に聞いたところ、Y子はシングルマザーで、実家で生活していることがわかりました。
両親が会社を経営する裕福な家庭であるのを良いことに、Y子は仕事もせず、居候している状態だというのです。
そのママ友は「M代さん(私)は引っ越してきたから知らなかったよね? でも、Y子さんはちょっと私たちと価値観が違うから、話が合わないのよ。」と言って、距離を置いているようでした。
派手な金遣いが親のすねかじりだとは……何か働けない理由があるのかもしれませんが、さすがに親しく付き合うことは無理だなぁと思ってしまいました。
【体験者:40代女性・パート、回答時期:2025年3月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:RIE.K
国文学科を卒業し、教員免許を取得後はOLをしていたが、自営業の父親の病気をきっかけにトラック運転手に転職。仕事柄多くの「ちょっと訳あり」な人の人生談に触れる。その後、結婚・出産・離婚。介護士として働く。さらにシングルマザーとして子供を養うために、ファーストフード店・ショットバー・弁当屋・レストラン・塾講師・コールセンターなど、さまざまなパート・アルバイトの経験あり。多彩な人生経験から、あらゆる土地、職場で経験したビックリ&おもしろエピソードが多くあり、これまでの友人や知人、さらにその知り合いなどの声を集め、コラムにする専業ライターに至る。