なるべく知られたくない……整体師ママの苦悩
Aさんは自宅で整体師として開業しながら3人の子どもを育てるママ。Aさんは整体師という仕事に誇りを持っていますが、自分が整体師だということをあまり周囲に知られないようにしています。
それは、整体師だと知られると必ず厄介なお願いごとをされてしまうから。3人の子育てを通じて知り合ったママ友たちとは、これまでさまざまな出来事がありました。
「ママ友とは穏便に付き合っていきたい」という思いから最初は強く出られなかったAさんですが、3人を育てさまざまな迷惑ママ友たちと相対し経験を積むうちにだんだんと強くなっていったのです。
友だちなんだからいいよね? ママ友の要求
Aさんが整体師だと知ると現れるのが「タダでやってよ」攻撃をしてくるママです。
「友だちなんだからいいよね?」「まさかお金取るの?」
当然のような顔をして要求してくるので、Aさんは最初自分の感覚がおかしいのかもしれないと疑うほどでした。しかし、友だちだからと言ってタダでやっていては商売が成り立ちません。
「親兄弟でもお金をもらって施術してるの。ちゃんと払ってね」と言い、お金は払ってもらいました。
知識だって私の財産です!
次に多いのが「これってどうすればいいかな?」と聞いてくるママです。Aさんを整体師だと知ると、Aさんに健康相談を持ちかけようとする人がたくさん現れます。
「ここが痛むんだけどどうすればいい?」「偏頭痛に効くツボってどこ?」
もしAさんが整体師でなければ普通の会話かもしれませんが、Aさんは整体師。相手は明らかにAさんの知識を頼りにして相談を持ちかけてきています。
「このくらいなら教えてあげてもいいかな」と思うこともあったAさんですが、1度教えれば教えるのが当たり前になり要求はエスカレートするだろうと考えました。
自分の整体師としての知識は自分の大切な財産です。簡単にタダであげるわけにはいきません。
Aさんのたどり着いた対処法
タダで自分の技術や知識を奪おうとしてくる厄介ママとなるべく遭遇したくないAさんは、整体師だと知られないようにしていますが、自宅で開業していることもあって知られてしまうことも多々。
ですが、経験を積んだAさんはそんなママたちへの対処法を編み出しています。
「タダでやってくんない?」「この痛みはどうすればいい?」
こんなことを言われたら、にっこりと笑って「うちの整体院に来てくれたら施術するよ〜」と言うようにしたのです。こうすれば角も立ちませんし、要求に応じないという意思表示にもなります。
こう言って来てくれたママ友に対してAさんは「友だちとして」丁寧な施術をしてあげるそうです。
【体験者:40代・女性自営業、回答時期:2025年3月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:安藤こげ茶
自身も離婚を経験しており、夫婦トラブルなどのネタは豊富。3児のママとして、子育てに奮闘しながらもネタ探しのためにインタビューをする日々。元銀行員の経験を活かして、金融記事を執筆することも。