聞きながら筆者もワクワクした、素敵なエピソードをご紹介します。
「あなたが、部屋のコーディネーターよ」
「ねえ、あなたの部屋なんだけど、壁紙から家具選び、配置まで、全部自分でやってみない?」
翌日、目を腫らして部屋から出てきた娘に私はそう問いかけ、インテリアのカタログを見せました。
少しでも娘の喪失感を埋めたくて、彼女が夢中になれるようなことを提案しようと思ったのです。
「えっ? 」
「あなたは、自分の部屋のコーディネーターよ。センスがあるから、きっととても素敵な空間になるわ。ねぇ、やってみよう!」
カタログを見るうちに、娘がワクワクと前向きな気持ちになっていくのが見て取れました。
さっそくその日から、娘の夢の部屋作り計画が開始。
ネットサーフィンして相談し合ったり、直接店舗に家具を見に出かけたりして、親子の会話も増えました。
この計画をお友達に話すと、別れは惜しんでくれたものの、みんな沸き立って「絶対に遊びに行くよ! 」と約束してくれたり、思い思いの提案をしてくれたりしたそうです。
だんだんと娘は引越しが楽しみになっていき、近くのおしゃれなカフェやお店をチェックしては、ここに行こうね、なんて言ってくれるようになりました。
その後
娘が一から作り上げた部屋は、思った通り、とても素敵に仕上がりました。
引越し当日、入居初日なのにも関わらず、すでに思い入れ深く感じたのを覚えています。
この部屋を見るたびに、娘が大人になっても家を出て行った後も、きっと今回のことを思い出すでしょう。
「お母さん、私、インテリアコーディネーターになりたい」と言うようになった娘の将来に思いを馳せながら、早くも感慨深く思うのでした。
【体験者:40代女性・専業主婦、回答時期:2025年3月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:大城サラ
イベント・集客・運営コンサル、ライター事業のフリーランスとして活動後、事業会社を設立。現在も会社経営者兼ライターとして活動中。事業を起こし、経営に取り組む経験から女性リーダーの悩みに寄り添ったり、恋愛や結婚に悩める多くの女性の相談に乗ってきたため、読者が前向きになれるような記事を届けることがモットー。