単身赴任
ある時、夫が仕事の関係で出向することになりました。
予定の期間は2年。
子ども達の学校のことや私の仕事のこともあり、夫は単身赴任することに。
単身赴任直後は、週末には必ず帰ってきていたのですが、1年ほど経つと「忙しい」「仕事がある」などと言って、長期の休みにも帰ってこなくなったのです。
女性の訪問
そんなある日、突然見知らぬ女性が私の家に訪ねてきました。
急に「奥さんに話があるんです。」と言われ、ただならぬ雰囲気。
子ども達も外出していたため、私は家の中で女性と話し合うことにしました。
すると、女性はいきなり「離婚してもらえませんか?」と言い出したのです。
「いきなりそんなことを言われても、私は夫から何も聞いていません。」と言うと「不倫されるあなたにも非があるでしょう?」と興奮状態。
私は「夫に確認します。」と言い、一旦帰ってもらうことにしました。
正体
私はすぐに夫に連絡。
女性から聞いた話を突き付けると、夫は「へ?」と意味が分からない様子でした。
夫は家に帰ってくると「何の話?」と素っ頓狂な顔。
女性の様子を話すと、どうやら夫の出向先で別の男性社員と問題を起こし、自主退職した社員だということがわかったのです。
2人の上司でもあった夫は、トラブルの仲介役になっていたことも判明。
どうやら仲介役の夫を逆恨みし、わざわざ我が家を訪ねてトラブルを起こそうとしたのではないかということでした。
絶句
あまりのことに私も夫も絶句。
「あなたが最近帰ってこれなかったのは、もしかしてそのトラブルが原因だったの?」と聞くと、夫は「そうなんだ。男性社員の奥さんが裁判を起こしてね。会社も巻き込まれて大変だったんだよ。」と話してくれました。
帰ってこない=不倫を疑った自分のことも反省しましたが、出向先の地方からわざわざ我が家まで来たということに、私たちは「ちょっと怖いね。」と苦笑い。
それからその女性が来ることはありませんでしたが、未だにちょっとゾッとする出来事でした。
【体験者:40代女性・会社員、回答時期:2025年2月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:RIE.K
国文学科を卒業し、教員免許を取得後はOLをしていたが、自営業の父親の病気をきっかけにトラック運転手に転職。仕事柄多くの「ちょっと訳あり」な人の人生談に触れる。その後、結婚・出産・離婚。介護士として働く。さらにシングルマザーとして子供を養うために、ファーストフード店・ショットバー・弁当屋・レストラン・塾講師・コールセンターなど、さまざまなパート・アルバイトの経験あり。多彩な人生経験から、あらゆる土地、職場で経験したビックリ&おもしろエピソードが多くあり、これまでの友人や知人、さらにその知り合いなどの声を集め、コラムにする専業ライターに至る。