お客として訪れる飲食店は楽しいものですが、店員側から見ると「実はこれ、困ります……」と思うようなことって、実はたくさんあるようです。今回は友人が大学時代のバイト先で体験したエピソードをご紹介します。
その注文方法、実は……
都内の居酒屋でアルバイトしていた頃のことです。週末の夜は特に忙しく、オーダーを取りながら店内を走り回っているような状態でした。
その日も店内は満席に近い状態。次から次へとオーダーが入る中、若い女性グループが来店されました。
テーブルに着くなりメニューを開き、楽しそうに話し始める彼女たち。しばらくして、彼女たちの中の1人が私を呼び止めました。
私がテーブルに向かうと、すぐに「これと、これと、あとこれ、お願いします!」とメニューを指差し、注文を始められました。
店員側から見ると
私は一瞬戸惑いました。指差し注文の場合、まずお客様の指先を追うことに神経を集中させなければなりません。そして、それが何の料理なのかを確認し、復唱……この作業を何品も繰り返すのは、実はとても時間がかかるのです。注文ミスにも繋がりかねません。
「料理名で注文していただけたら、ありがたいのにな……」正直そう思いましたが、お客様にそれを指摘するのは失礼にあたります。
ぐっとこらえて、笑顔で注文を受けました。
もしかして何か失礼なことを?
注文を終えた後、少し離れてから振り返ると、彼女たちが何かヒソヒソと話している様子が見えました。
「もしかして私、何か失礼なことをしちゃったのかな……?」と不安になりながらも、他のテーブルのオーダーに追われ、彼女たちのことは一旦忘れてしまいました。