2人は思わぬ場所で再会し、M子さんは過去の振る舞いをとても後悔したのです。
2人の間に何があったのでしょうか?
Y美のまじめさが鼻につく
高校時代に私は派手で目立つ女子だったと思います。
周りにはいつも一緒に遊ぶ取り巻きの仲間がいました。
進学校ではなかったので、学校に勉強をしに行くというよりは、仲間と遊ぶために行くような感じ。
ほとんどの生徒がまじめに授業を受けていない中で、Y美だけはいつも授業をまじめに受けていました。
みんな掃除をサボっていてもY美だけは最後まで掃除をしている。
そんなY美のまじめさが鼻について仕方なかった私は、取り巻きの仲間と一緒に
「ガリ勉して、自分だけいい子になろうとしているよね」
「先生に媚び売ってるんじゃないの」
そんなひどい言葉を投げつけ、意地悪をしたことが何度もありました。
まさか息子がイジメに遭うなんて
高校卒業後は、大学に進学したY美と会うことはありませんでした。
私は地元の企業に就職し、そこで出会った男性と結婚し男の子を授かりました。
息子のK介はとても大人しく繊細な子。
中学校に入学後に、クラスの派手で目立つ立場の生徒から、イジメのターゲットにされてしまったのです。
それがきっかけでK介は不登校気味になり、家に引きこもることが多くなりました。
中学校で教育相談所のカウンセラーを紹介してもらい、カウンセリングを受けることになったのです。
私たちの目の前に現れた人は……
面談日の当日、緊張しながら面談室でカウンセラーを待つ私たちの前に現れたのは、なんとY美だったのです。
K介の言葉をひとつひとつ丁寧に聞き取り、心に寄り添ってくれるY美に、K介はすっかり心を開いたようです。
面談後、部屋を出ていくY美を追いかけ声をかけました。
高校時代の私たちからのイジメでとても傷ついたY美は、この経験をムダにしたくないと思い大学で心理学を専攻。
今はカウンセラーになり、イジメにあって心が傷ついた子どもの心のケアをしていると話してくれました。
過去の自分の行為が恥ずかしく、顔を上げられない私に「一緒にK介君を支えましょう」と声をかけてくれたY美。
私はY美に過去の過ちを心から謝りました。
このことを通じて感じたこと
Y美のアドバイスに支えられてK介は次第に元気を取り戻し、学校に行ける日が増えてきました。
この出来事を通じて私は人をバカにしたり、傷つけたりする言葉を容易に使ってはいけないと、身に染みて感じました。
人を傷つけたことは、いつか形を変えて自分に返ってくるのかもしれませんね。
【体験者:40代・パート、回答時期:2025年3月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
Itnライター:K.Sakura
セラピスト・販売員・介護士の職を通じて常に人と関わる職務経験から得た情報を記事化するブロガーを志す。15年ほど専業主婦兼ブロガーとして活動するも、モラハラな夫からから逃げるために50代にして独立。母としては、発達障害のある子どもの育児に奮闘。自分の経験が同じような状況に悩む人の励みになって欲しいと思い、専門ライターに転身。アラフィフでも人生やり直しができることを実感。