かわいい我が子には、幸せな人生を歩ませたい。そんな思いから、人生を左右する出来事に親が介入する家庭も少なくありません。でも「子どものため」という発想が、子どもの人生を歪めてしまうことも……。今回は、筆者の知人から聞いたエピソードをご紹介します。
おとなしい娘の将来が心配
A子の一人娘のB美はおとなしい性格で、自己主張ができないタイプ。A子と夫は、そんな娘の将来が心配でした。
「子どもは育て方で人生が変わる。娘は、私たち親がしっかりと導いてあげないと」
そう考えたA子と夫は、B美に進路のアドバイスをし、就職の世話もしてあげました。
「B美にはこの学校が合っているよ」「就職先はお父さんの知り合いに頼んでおいたから」
B美はそんな両親に反抗することなく、「わかった」「そうする」と素直に受け入れていました。
結婚もさせ、ほっと一安心
のんびりとしたB美は、恋愛にも消極的でした。
自力では結婚相手を探せないだろうと思ったA子は、知り合いに頼んで男性を紹介してもらい、お見合いをさせることに。
相手男性のC男は安定した職業で、B美と似たおとなしい性格です。両者に不満はなく、無事に結婚することになりました。
B美は結婚して数年後に出産。
孫が産まれ、A子夫婦は「娘に幸せな人生を与えられた。自分たちの子育ては間違っていなかった」と安堵していました。
ところが、ここから思わぬ誤算が始まったのです。