「服装は自由」と書かれていたので
就職活動を始めたばかりのころ、私はあるベンチャー企業の面接を受けることになりました。
企業のウェブサイトには、古い常識に縛られない自由な社風を謳う言葉が並んでおり、面接時の服装も「自由」と記載されていました。
これを見た私は、「センスを問われているんだ!」と解釈し、当時自分が一番おしゃれだと思っていた「私服」で面接に臨むことにしました。
両親の反応は
面接当日、私服で家を出ようとした私に、両親は目を丸くしました。
母は「面接でしょ? その服で行くの?!」と驚き、父も「無難にスーツで行った方がいいんじゃないか?」と心配そう。
しかし私は「ママたちは古すぎ! 今はこういう自由な会社も増えてるんだよ」と反論し、忠告に耳を貸さず家を出ました。
両親は私の将来を思って言ってくれていたのに、その気持ちを理解しようともしなかったのです。
面接会場で「やってしまった……」
面接会場に到着すると、待合室の光景に私は言葉を失いました。なんと、ほぼ全員がリクルートスーツ姿だったのです……!
その中で、カジュアルな私服姿の私はひどく浮いていました。
不安になった私は、唯一自分と同じように私服で来ていた女性に話しかけてみることに。
すると彼女はデザイナー職志望で、この会社でインターンとして既に働いているため、面接はほぼ形ばかりのものだということが判明。
コネもなく、事務職を希望している私とは全く違う立場でした。
私は一気に絶望的な気持ちに襲われました。
両親の話を聞いていれば
面接は散々でした。
緊張と不安で頭は真っ白になり、上手く話せなかったことだけは覚えています。
服装のせいかどうかは分かりませんが、結果は不合格。
たとえ「自由」と書かれていても、TPOをわきまえること、そして人生の先輩である両親の忠告にはきちんと耳を傾けることが大切なのだと、身をもって学びました。
幸い、その後に選考を受けた会社(もちろん面接にはスーツで行きました)へ採用が決まり、無事に社会人になることができました。あの時の両親の心配そうな顔を思い出すたびに、今でも胸がチクリと痛みます。
【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2025年1月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。