自分の辛さを他人にわかってほしいという気持ちは、誰もが持っているでしょう。
ですが、相手の気持ちを考えずに自分の辛さをぶつけて、うっぷんを晴らすのはいかがなものでしょうか。
これは筆者の友人の体験談です。

夫との別れ

職場結婚した私たち夫婦は、ともに40代。

子どもには恵まれませんでしたが、その分2人の時間を大切にしようと決めました。

共通の趣味を持ったり長期の休みには旅行をしたりして、幸せな時間を過ごしていました。

そんなある日、夫が体に異変を感じ病院を受診すると診断結果はがん。

ショックのあまり震えが止まらない私に夫は「必ず完治してずっと一緒に過ごすから」と、手術や辛い抗がん剤治療を弱音を吐くことなく頑張ってくれました。

ですが、病には勝てず、長い闘病生活の末に天国へ旅立って行ってしまったのです。

夫を亡くした悲しさから体調を崩してしまった私は実家に戻り、そこで新生活をスタートすることにしました。

私を支えてくれた昔からの友人たち

しばらくは、実家から出る元気もありませんでした。

私の状況を母から聞いた仲良しだった地元の友人たちは、ことあるごとに我が家を訪ねてくれて、私の辛さや悲しみを聞いてくれて私を支えてくれました。

おかげで私にもやっと笑顔が戻り、外に出てみようという気力が湧いてきたのです。

いくつになっても変わらない友人たちの優しさには、感謝しかありません。

この集まりがきっかけで、10数年ぶりに高校の同級会をしようという話の流れになりました。

そして同級会の日を迎えました。

Uさんの口から信じられない言葉が

友人たちの働きかけで、大勢の同級生が会場に集まりました。

その中にUさんもいました。

高校時代はそれほど親しくなかったUさんが、なぜか私の顔を見るなり近づいてきたのです。

するとUさんはこのような言葉を私にかけてきました。

「あなたは独りになったんでしょ。気楽でいいわね」

心をえぐるような言葉に私は、頭の中が真っ白になり立ちすくんでしまいました。

そんな私を尻目にUさんは夫や義実家の文句を話し続け、自分は結婚生活が大変なのだとアピール。

私たちに気づいた友人が慌ててUさんを私から遠ざけ、私に近づかないようにしてくれたのです。

どんな時も相手への思いやりは大切

Uさんは夫に浮気されたり、義実家との折り合いが良くなくて義母から嫌がらせをされたりして、相当ストレスが溜まっていたそうです。

そんな時に独身に戻り実家で生活している私が気楽そうに感じ、私に嫌味を言ってうっぷんを晴らしたかったとのことでした。

だからと言って、夫を亡くした心の傷が癒えない私でうっぷん晴らしをするのは、非常識すぎますよね。

それからしばらくしてUさんは離婚して独りになったと聞きました。

同級生は、先日の同級会での非常識なふるまいを見ていたので、Uさんには声をかけず距離を置いています。

気の毒だとは思いますが、他人への思いやりを欠いたUさんの自業自得だと思っています。

【体験者:40代・パート、回答時期:2025年2月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

Itnライター:K.Sakura
セラピスト・販売員・介護士の職を通じて常に人と関わる職務経験から得た情報を記事化するブロガーを志す。15年ほど専業主婦兼ブロガーとして活動するも、モラハラな夫からから逃げるために50代にして独立。母としては、発達障害のある子どもの育児に奮闘。自分の経験が同じような状況に悩む人の励みになって欲しいと思い、専門ライターに転身。アラフィフでも人生やり直しができることを実感。