外出先で赤ちゃんのミルクを作る場合、お湯や温度調整用の水など沢山の持ち物と場所が必要になります。そんな時、お湯や場所を快く貸してくれる人がいたらありがたいですよね。今回はそんな赤ちゃんのミルクに関して、ママ友の行動にドン引きした経験のある筆者の知人、Tさんのお話です。

健診で仲良くなったママ友

Tさんは当時、生後5か月の赤ちゃんのママでした。

初めての子どもだったので、毎日慣れない子育てに苦労しながらも頑張っていたTさんは、「ママ友が欲しいな」と常々思っていました。

そんなある日Tさんが赤ちゃんの健診のために病院に行くと、同じくらいの月齢の赤ちゃんを抱いた女性に声をかけられました。
「あのー、何ヶ月ですか?」
「5か月ですよー」
「あ、うちと一緒です!」
子どもの月齢が同じということで、Tさんはその女性とあっという間に意気投合し、連絡先を交換しました。

どうやらその女性もママ友が欲しかったということで、2人はママ友として育児の悩みを話し合ったり、一緒に散歩や買い物に出かけるようになりました。

家に招いたけれど……

ある日ママ友が「Tさんのお家に遊びに行っていい?」と言うので、Tさんは快く自宅に招きました。

「わあ、素敵なおうち!」
ママ友が来るので掃除や片付けを頑張ったTさんは、家を褒められてご満悦。お菓子とお茶を振る舞って、会話を楽しんでいました。

「ごめん、ミルク作りたいから台所借りていい?」
ママ友からの申し出に、Tさんは快くOKしました。
「お湯使っていいからね!」
「ほんと? ありがとう」
Tさんの赤ちゃんもミルクだったので、外出先でミルクを作る大変さはよくわかっています。お湯や必要なものを揃えてから、Tさんは台所を出てママ友と自分の赤ちゃんをあやしていました。

「ありがとね、今日は楽しかった! お邪魔しました」
ママ友が帰った後、赤ちゃんのミルクを作ろうと台所へ行ったTさんはビックリ。

なんとTさんの赤ちゃんのためのミルクがごっそり減っていたのです。
「え、どういうこと!?」
ミルクを持ってくるのを忘れて、仕方なくTさんの家のものを使ったのかとも思いましたが、どう考えても1回分の量ではありません。

それ以外にも台所に買い置きしていたインスタントラーメンやレトルトカレーなどがきれいさっぱり無くなっています。

「どれだけ持って帰ったんだよ……」
袋を開けてまだ2~3枚しか使っていなかった赤ちゃんのオムツもかなり減っていたのに、Tさんは全くママ友の不審な動きに気づきませんでした。

その鮮やかな手つきに常習性を感じたことや、子どもを連れて泥棒をする人とは仲良くなれないと思い、そのママ友とは距離を置いたそうです。

【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年1月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:齋藤緑子
大学卒業後に同人作家や接客業、医療事務などさまざまな職業を経験。多くの人と出会う中で、なぜか面白い話が集まってくるため、それを活かすべくライターに転向。現代社会を生きる女性たちの悩みに寄り添う記事を執筆。