人生には思いもよらない落とし穴があるものです。しかし、たとえ絶望の底に突き落とされた時でも、手を差し伸べてくれる人はいます。どん底だからこそ見える景色や、生まれる出会いに感謝したという友人に話を聞きました。
カフェ開業に向けて
私は夢だったカフェを開業するため、コツコツと資金を貯めていました。実業家として成功していた知人のCさんから投資話を持ちかけられたのは、そんなある日のことです。
「絶対に損はさせない」というCさんの言葉を信じ、私は資金のほとんどを投資することにしました。成功すれば、カフェ開業ももっと早く実現できる! と信じていたのです。
しかし、そんなに上手くいくはずはありません。Cさんは投資に失敗し、私のお金も戻ってきませんでした。
裏切られたショックと、資金を失った絶望で、私は家に閉じこもるようになってしまいました。
声をかけてくれたのは
そんな私を心配して、毎日様子を見に来てくれたのが親友のB子です。B子は私が気晴らしに焼いていたお菓子を気に入り、「美味しい! 才能あるよ!」と褒めてくれました。最初は「きっとお世辞で言ってくれてるんだ」と思っていたのですが……
B子は私の焼き菓子の写真をSNSに投稿し始め、近所のマルシェへの出店まで手配してくれたのです。
「A子のお菓子は人を幸せにする力がある!」とB子は言い切りました。その熱意と行動力に、私は少しずつ前向きになっていきました。