今日は、そんな詩織さんの体験談を紹介します。
内弁慶な息子
一人息子の颯(仮名)は、家の中ではよくしゃべり活発な子です。
大好きな戦隊ヒーローのまねをして部屋の中を走り回り、私に注意されることもしばしば。
ですが外に出ると一転し、私のそばから離れない甘えん坊になってしまうのです。
公園で同じくらいの年頃の子ども達が、母親のそばを離れて仲良く遊んでいても、颯は私のそばを離れようとしません。
私と砂遊びをしたり、私と手をつないで公園の中を散歩して、木の実を探したり……。
それで颯は十分楽しそうでした。
私自身が幼い頃、人見知りで内気な子どもだったので私に似たのだろうと、おおらかな気持ちで颯の成長を見守っていました。
少し出過ぎた常連ママの行為
私達が通っていた公園の常連ママの中に、小林さん(仮名)という颯と同じ年の男の子のママがいました。
小林さんのお子さんは、いつも常連ママ達の子ども達と一緒に、公園の遊具で遊んだり、走り回っている男の子。
そんな活発なお子さんの母親の小林さんは、自身の経験から颯の行動を心配してくれたのかもしれません。
「いつまでも颯くんを甘やかしてはダメよ! 春から幼稚園生なんだから」
ある日小林さんはこう言いながら、遊んでいる子ども達の輪の中に颯を半ば強引に連れて行ってしまったのです。
颯にしてみればショックなできごとだったようです。
その日以来いつもの公園に行きたがらなくなってしまいました。
息子のペースを大切にしたかったのに
私は「颯には颯のペースがあるから」と自分の考えを小林さんに言えず、颯に不安を与えてしまったことを悔やみました。
それと同時に子どもにはそれぞれのペースがあるので、小林さんにはすべての子どもが自分の子どもと同じだと思い込まないでほしいと思いました。
私は小林さんと顔を合わせにくくなり、颯を連れて違う公園に遊びに行くようになってしまったのです。
意外な場所で再会! 仲良しのママ友に
春が来て、颯は幼稚園生になりました。
なんと、入園式の時に「詩織さん」と小林さんに声をかけられたのです。
小林さんのお子さんも同じ幼稚園に入園したのでした。
「あの時はごめんなさい」と私の顔を見るなり謝ってきた小林さん。
あの日以来私達が公園に来なくなったのは、自分の行為が強引だったと反省し、ずっと気にしていたそうです。
私が抱えていたわだかまりもスッと溶け、幼稚園の中で一番仲良しのママ友になりました。
【体験者:30代・専業主婦、回答時期:2025年1月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
Itnライター:K.Sakura
セラピスト・販売員・介護士の職を通じて常に人と関わる職務経験から得た情報を記事化するブロガーを志す。15年ほど専業主婦兼ブロガーとして活動するも、モラハラな夫からから逃げるために50代にして独立。母としては、発達障害のある子どもの育児に奮闘。自分の経験が同じような状況に悩む人の励みになって欲しいと思い、専門ライターに転身。アラフィフでも人生やり直しができることを実感。