お年頃なAさんの娘
Aさんの中学2年生になる娘は、小さい時は内気な性格だったのですが、中学生になると自分から率先していろんなことに挑戦するようになりました。
今までは、Aさんが導いてあげないと一歩踏み出すことをしなかった子だったのですが、中学の部活動で大きなイベントに挑戦したり、授業参観でたくさん発言したりと、娘の成長に驚かされる日々を過ごしていました。
そんな娘の挑戦!
ある年明けに、娘は「ママ! 今年はね! 料理に挑戦するって決めたの!」と言い出しました。Aさんは娘にキッチンでのお手伝いをあまりさせてきませんでした。そのせいもあってか、小学生の時に、家庭科の調理実習で苦労したことを今でも覚えています。娘自身もその時の経験が印象に残っているのか、中学校の調理実習では活躍したいと考えていたのです。昔の失敗があっても果敢に頑張ろうとする娘の姿に、Aさんは涙しそうでした。
予想外の展開に、別の涙が……
娘が料理に挑戦する宣言をした、次の週末の朝のことでした、「ママ! 私、留守番してるから、出かけてきていいよ!」と娘が言うので、Aさんは出かけることにしました。留守番をしてもらうことはちょくちょくあるものの、娘からお出かけを薦めてくることはなかったので、頼もしくなったな、と感心していました。
しかし、買い物や散歩など2時間ほど過ごしお昼の12時ごろに帰宅すると、家の中に何やら焦げ臭い匂いが充満していました。なんと、娘がお昼ごはんを作ってくれていたのですが、ちょっと目を離したすきに盛大に焦がしてしまったのです。
幸い火事にはならなかったものの、Aさんが大事に使っていたフライパンは真っ黒焦げになってしまいました。
その後、Aさんが見ていない時は、電子レンジだけ使うことを許しました。これで大丈夫だと思ったのもつかの間、次の日に生卵をレンジに入れてしまい、大爆発させてしまったのです。
「あれ~? なんでダメなんだろう?」と、娘は心の底から不思議に思っていました。これからは娘が料理をするたびに側についていないといけないし、気をつけないと調理器具を全部壊されてしまいそうです。Aさんにとって、とほほな年明けとなったのでした。
【体験者:40代・女性主婦、回答時期:2024年12月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:南さおり
読者モデルを経て、ライターに転身。仕事柄、美容や装いにこだわる女性たちの心理やリアルに興味を持ち、取材。結婚・出産を機に現在は、育児をしながら、女性としての美や健康も両立する女性を主な取材対象に、いつまでもきれいで美しい人生を送るための秘訣をリサーチし発信する女性向けコラムニスト。女性の人間関係に注目した記事も人気。