上司との不倫に溺れる日々
入社して数年、私は上司のBさんへのゴマすりで出世の階段を駆けあがっていました。
しかし、実は裏ではBさんとの不倫関係にも溺れていたのです。
Bさんが既婚者で2人の子どもがいることも知っていましたし、いけない関係だと分かっていましたが、「妻や子どもよりも、君の方が大切なんだ」などと甘い言葉を囁かれる度に、奇妙な優越感が胸の中で渦巻き、次第に罪悪感は薄れていきました。
すべてがバレてしまい……
しかしある日、私とBさんがホテルに入る姿を、同じ会社のCさんという人に目撃されてしまいました。
噂好きのCさんによって、あっという間に噂は社内へ蔓延……!
Cさんのあまりにも具体的な話に押され、最初は半信半疑だった人たちも徐々に「本当に不倫しているらしい」と思い始めたようです。
最初は「ただの噂よ、気にしない!」とたかをくくっていましたが、日に日に同僚たちの視線が冷たくなっていくのを感じました。
あなただけは味方でいてくれるよね?
それでも私は、「Bさんはきっと全てを捨てても私を選んでくれる」と信じて疑いませんでした。幾度となく交わした言葉は嘘じゃないはずだと思っていたのです。
しかし現実は甘くありませんでした。
Bさんは、私との関係を一切認めず、距離を置き始めたのです。保身のためだったのでしょう。
今まで築き上げてきた信頼、地位……全てが崩れ落ちていく恐怖に襲われ、Bさんからの愛情も失った私は、会社に行くのが耐えられなくなり、それからほどなくして退職届を出しました。
不倫は誰も幸せになれない
結局、不倫が社内で公になったことでBさんも左遷になったそうです。プライドが傷ついたのか、左遷に耐えられず彼も退職したと風の噂で聞きました。
社会的信用も周囲の信頼も失った私は、再就職活動も難航しています。
履歴書を送っても、面接までたどり着けないのです。狭い業界なので、不倫の噂が業界全体に広まっているのかもしれません。
「人の道を外れた不倫という行為は、誰も幸せになれない」その当たり前の真実に気づいたところで、もう後の祭りです。
【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2024年12月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。