海外旅行は、多くの感動や発見をもたらす一方で、予期せぬ出来事に遭遇することも少なくありません。今回は、筆者の友人が10年ほど前に海外旅行中に体験したという、忘れられないエピソードをご紹介します。

友人が行方不明に!

10年ほど前、学生時代からの親友Kと2人で、ヨーロッパをバックパック旅行していた時のことです。
その日、私たちは小さな港町にあるペンションに泊まっていました。
しかし朝になって目を覚ますと、隣のベッドにいるはずのKの姿がありません。

枕元には、「散歩してくるね♡」と殴り書きされたメモが1枚。何度携帯に電話をかけても連絡がつかず、2時間以上が経ちました。

もしかしてトラブルに巻き込まれた?

「まさか……?!」
誘拐? 事故? 悪い想像が次々と頭をよぎり、冷や汗が私の背中を伝います。

私は宿のスタッフに相談しようと、フロントに向かいました。
その途中、満面の笑みでこちらに手を振るKの姿が目に飛び込んできたのです。

安堵よりも先にこみ上げてきたのは怒りでした。
「どこに行ってたのよ! 心配したんだから!」私の剣幕に、Kは少したじろぎながら、「え、ちょっと面白いことがあって……」と口ごもります。