憧れの海外旅行! でも……
地方出身で、東京での一人暮らしを始めて数年の私。
慣れない都会の生活にも少しずつ馴染んできたころ、仲の良い友人5人で海外旅行へ行こうという話が持ち上がりました。
久しぶりの大型連休を利用して、みんなで思い出に残る旅行をしようと、ワクワクしながら計画を立て始めました。
海外旅行計画で気づいた経済格差
具体的な旅行先や予算の話になった時、私は違和感を覚えます。
友人たちが提案する旅行先は、ヨーロッパやハワイなど、私の想定よりもずっと高額な費用がかかる場所ばかり。旅行予算も、私が考えていた金額の倍以上でした。
「えっ、そんなに旅行にお金使えるの?」と驚く私に、友人たちは「普通でしょ?」という反応。その時私は初めて気づいたのです。私以外の全員が実家暮らしで、なおかつ経済的に余裕があったことに。
一人暮らしの私には、家賃や光熱費、食費など、毎月の固定費がかかります。それに比べて友人たちは、そういった出費がほとんどない子たちでした。当然、旅行に使えるお金にも大きな差が出てしまうのです。
勇気を出して正直に伝えてみたら……
みんなの楽しそうな様子を見ていると、自分だけ取り残されたような気持ちになってしまいました。そこで私は、勇気を出して真実を正直に伝えることに。
「実は今一人暮らしでお金がかかっているから、この金額までしか出せないんだ。だから今のプランだと私は行くのが難しいから、どうしようかと思っていて……。」と。
ドキドキしながら話し終えると、有り難いことに友人たちは理解を示してくれたのです。
彼女たちは生活費にいくらかかるかなど一人暮らしの私の事情を知り、みんなが納得してくれたのです。
結局、私の事情を考慮したプランに変更され、全員で海外旅行へ行くことができました。予算は抑えめでしたが、みんなで協力して安いホテルや食事を探したり、現地での過ごし方を工夫したりすることで、かえって思い出深い旅行になったのです。
本来のプランから変更してもらうことになってしまい申し訳なさもありますが、友人たちが寄り添ってくれて感謝しています。
あの時、友情の厚さを改めて感じ、正直に自分の状況を伝えてよかったと思っています。
【体験者:30代・会社員、回答時期:2024年12月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Yuki Unagi
フリーペーパーの編集として約10年活躍。出産を機に退職した後、子どもの手が離れたのをきっかけに、在宅webライターとして活動をスタート。自分自身の体験や友人知人へのインタビューを行い、大人の女性向けサイトを中心に、得意とする家族関係のコラムを執筆している。