モラハラ彼氏
19歳になり、一人暮らしを始めた私。
初めての一人暮らしは気楽さこそありましたが、さみしさを感じることが多いものでした。
仕事を終え家に帰っても電気がついていないのはもちろん、食事も一人きり。
当時の私はさみしさを埋めるため、時間を共有する相手を探していたのだと思います。
そんな19歳のあるとき、ひょんなことから彼氏ができ、さみしかった一人暮らしが嘘かのように毎日が慌ただしく、楽しいものになっていきました。
しかし、楽しかったのは一瞬。
実はこの彼氏は、束縛気質で喧嘩になればすぐに手をあげ、そのうえ浮気性だったのです。
さらに金遣いも荒く、私のお財布からお金を盗っていくことも多々ありました。
私が付き合った相手は、どう考えても最低な男性だったのです。
周りの心配
そんな彼と交際していくうちに、体のどこかを怪我している状態が当たり前になってしまいました。
異常な日々を送っていた私は、その後精神的にも参ってしまい拒食症になってしまったのです。
いつ見ても怪我まみれで、日に日にやせ細っていく私を、家族や友人はとても心配してくれて「そんな彼とは別れたほうがいい。」とアドバイスしてくれました。
しかし、当時彼と喧嘩になるたびに「お前みたいな女、俺に捨てられたら、誰にも相手にされない。」と洗脳のように言い聞かされていた私は、そんな彼の言葉を真に受けてしまっていました。
どんなに周囲が心配してくれても「彼と別れたら私は独りぼっちになってしまう。」と思い込んでいたため、別れないどころか心配してくれる家族や友人と距離を置くようになったのです。
結末
結局心配してくれる家族や友人と距離を置いたまま、その彼とは3年間交際を続けました。
しかし、当然幸せになれるはずもなく、3年経ってようやく破局。
ボロボロな状態で彼との別れを家族や友人に報告しました。
身勝手な理由で距離を置いていたにもかかわらず、家族や友人は温かく迎え入れてくれ、このときようやく自分にとって本当に大切な人が誰なのかわかりました。
本当に自分を大切にしてくれる人たちと距離を置き、若い貴重な時間を無駄にした当時のことは、いまでも後悔しています。
【体験者:30代・女性自営業、回答時期:2024年12月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Emi.A
夜の世界での接客業を経て、会社員に転身。その経験を生かして、男女の人間関係を中心にコラムを執筆。結婚と出産の際に会社員として苦労した経験を経て、働く母親世代の思いにも寄り添うべく、執筆業専門に転身。現在は、男女関係、ワーキングマザーのリアルを描くライティングを行う。