旗当番の私が見た、子どもたちの朝の風景
冬の寒いある日、小学校の旗当番をしていた私。朝7時半から8時まで、校門前の横断歩道で黄色い旗を持って立っていました。
「おはようございます、いってらっしゃい!」と声をかけると、あいさつを返してくれる子、そうではない子、いろいろいます。
照れや恥ずかしさもあってか、ぼそっと「おはようございます」と言ったり、おしゃべりに夢中で通り過ぎたり。
そんななか、あいさつを返してもらえると、旗当番をしてよかったと思えるものです。
「ありがとうございます!」の一言が心に灯す温もり
あるとき、「おはようございます」と声を掛けると、1人の女の子が「おはようございます! 寒いなか、ありがとうございます!」と返事をしてくれたのです。
私はうれしくなって、「いってらっしゃい!」とその背中に声をかけました。あいさつを返して労ってまでくれたその子は、息子と同じクラスのAちゃん。
私はうれしくて息子に報告すると、「へぇ、あいつえらいじゃん」と言いました。
日常の中の小さな喜び
そして息子は、学校でその話をAちゃんにしたそうです。
するとAちゃんは、「そうなんだ。でも私、Rくん(息子)があいさつしてるから、それ見ていいなって思って真似してるんだ」と言われたそう。
息子は、近所や学校でも評判な自らあいさつをする子ども。母である私も誇らしく、あいさつのお手本にしています。
あいさつって伝染するんだと、幸せな気持ちになった出来事でした。
【体験者:30代・主婦、回答時期:2024年12月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Yuki Unagi
フリーペーパーの編集として約10年活躍。出産を機に退職した後、子どもの手が離れたのをきっかけに、在宅webライターとして活動をスタート。自分自身の体験や友人知人へのインタビューを行い、大人の女性向けサイトを中心に、得意とする家族関係のコラムを執筆している。