日本人は「店員にサービスを求めすぎている」と言われがちですよね。でも、過剰すぎる接客は客に不快感を与えることもあります。今回は、知人がスーパーで体験した接客エピソードをご紹介します。

セルフレジでトラブル発生

A子がスーパーのセルフレジで会計していたときのこと。
バーコード決済を利用しようとしたところ、電波が悪かったのか、バーコードがうまく表示されませんでした。

特に珍しいケースではなく、慌てるようなトラブルでもありません。
『最近、調子が悪いなぁ』と思いながらスマホを操作していると、スーパーの店員がA子に近づいてきました。
そして「失礼しますね」とA子に声をかけたあと、A子の返事も聞かずにスマホを取り上げて、操作をし始めたのです。

え? 勝手に何をしてるの?

A子は店員を呼んでいないし、スマホを渡すことに同意もしていません。
店員の勝手な行動にあ然とするA子の横で、その店員はしばらくA子のスマホを触ったあと、「あー、通信状況が悪いようですね。申し訳ありませんが、別の方法で決済をお願いします」と平然とスマホを返却してきたのです。

スーパーではスマホの操作方法を店員に尋ねる高齢のお客さんが少なくなく、その店員は親切心で行ったのかもしれません。
でも、同意もしていないのに勝手にスマホを触られたA子は嫌な気分になってしまいました。

店員に注意をすると?

A子は店員にやんわりと「お客さんのスマホには触れないほうがいいですよ。トラブルが起きると困るし」と指摘しました。
ところが店員は「大丈夫ですよ! これも仕事のうちなので」と理解していない様子。店員は自分の行動を親切なサービスだと思い込んでいるのです。
『これは何を言っても無駄だ』と理解したA子は、そのまま別の方法で会計を済ませてお店を出ることにしました。

その店員にとってはサービスの一環だったのかもしれませんが、A子には非常識な行動にしか思えませんでした。
A子は『客のスマホを取り上げて操作するのは、客の財布を取り上げて中身を漁ることと同じなのでは?』と、不快な気分になってしまったそうです。

【体験者:40代女性・会社員、回答時期:2024年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:江田愉子
団体職員を経て、ライターに転身。男性が管理職、女性多数が一般職の職場にて、女性と仕事、男女平等参画に関する様々な理想と現実に直面し、それを記事にすることを志す。以来、組織に所属する女性を中心にヒアリングを重ね、女性が生きやすい社会生活に関するコラムを執筆中。