娘の中学受験
Bさんの娘が中学受験をした時のことです。2月の第1志望のX中学の入試を受ける前に、1月に「ここなら絶対に受かる」ような、おさえのZ中学を受験することにしていました。Bさんとしては、おさえの学校は家から近いし授業料も少し安かったので、受かったら通ってほしいなと思っていたのですが、娘の「X中学の制服が着たい!」という強い希望から、家から遠く学費も高めの学校を第1志望にしていました。
制服が志望理由なんて、と最初は思っていたのですが「それでも娘の原動力になるのであれば構わない」「3年間毎日着る制服だって大事だよね」と、Bさんは自分に言い聞かせていました。
入試が終わって衝撃の言葉が!
1月のZ中学入試の日がやってきました。娘にとって初めての試験。緊張しがちな娘は、試験の前にお腹が痛くなってしまい、保健室で受験することになりました。
無事に試験を終え、後日Z中学から合格をもらうことができました。
そして2月、第1志望のX中学の入試に臨んだ結果、こちらも合格をもらうことができたのです!
これでX中学に進学かと、Bさんは入学金や手続き書類の準備をしていました。
しかし、娘から出た言葉は、「ママ、私、Z中学に行きたい」だったのです。そう、それは1月に受けたおさえの学校だったのです!
「なんで!? あんなに制服が可愛いから行く! って息巻いていたじゃない?」と言うと、入試当日の出来事を話してくれました。
母も知らなかった出来事
Z中学の入試当日、教室で待機していた娘は、試験が始まる20分ほど前からお腹が痛くなってしまったのですが、開始時間が迫っていたため、誰にも言い出せずにいました。その時、教室には試験の
手伝いに来ていたZ中学の在校生たちがいて、その一人が娘の異変に気づき「大丈夫? 体調が悪かったら保健室受験もできるよ?」と声をかけてくれたのです。
そして娘を保健室に連れて行ってくれたり、トイレの時に付き添ってくれたりと、試験が終わるまで見守ってくれていたのです。試験が終わった後にお礼を言うと「無事に受けられてよかったね! 最後まで頑張ってすごいよ!」と褒めてくれたんだとか。
娘は、優しい在校生の姿に感激。「あの時、私もあの先輩みたいな中学生になりたいと思ったの」と話してくれました。
「まさか娘にそんなことがあったなんて」Bさんは在校生に感謝しつつ、おさえにしていたZ中学への入学手続きを進めることにしました。
後日、入学式の日に、受験当日に娘のお世話をしてくれた在校生に会うことができました。Bさんはその時のお礼を告げると、在校生は「当たり前のことをしたまでです。同じ学校に通うことができて、私も嬉しいです! 入学おめでとうございます。」と温かい言葉をかけてくれました。
学校を選ぶ際、場所や授業料、制服も大事な要素ですが、在校生の雰囲気も大事だと実感。
「この学校に進学してくれてよかった」とBさんは感じたのでした。
【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2024年12月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:南さおり
読者モデルを経て、ライターに転身。仕事柄、美容や装いにこだわる女性たちの心理やリアルに興味を持ち、取材。結婚・出産を機に現在は、育児をしながら、女性としての美や健康も両立する女性を主な取材対象に、いつまでもきれいで美しい人生を送るための秘訣をリサーチし発信する女性向けコラムニスト。女性の人間関係に注目した記事も人気。