我が家は専業主夫
Aさんは結婚10年目で、2人の子どもを育てる母です。かつては仕事を抑え子育てをメインでこなしていたAさんですが、現在はバリバリ働き一家の大黒柱として頑張っています。
夫は数年前にメンタルを病んで退職し、そこからは働かずに専業主夫として育児や家事を担ってくれています。
妻が稼ぎ、夫が支える。このスタイルがAさん夫婦にとってはベストで、私たち夫婦はとてもうまくいっているとAさんは感じていたのです。しかし、周囲からの評価は違っていました……。
ママたちからの好奇の目とお節介な言葉
夫が子育てをしてくれているため、Aさんが幼稚園へ顔を出す機会はあまりありません。だから、たまに発表会などで幼稚園に顔を出すと、Aさんは周囲のママたちの好奇の的となります。
「Aさん家ってパパが専業主夫なんですってね〜」
話題はやはりAさん夫婦のスタイルです。専業主夫はまだまだ珍しいようで、Aさんはさまざまな質問を投げかけられます。その中にはムッとしたくなるようなお節介な言葉も含まれているのでした。
専業主夫への偏見
「夫が働かないなんて、普通じゃないわ」
「専業主夫だと浮気されるわよ」
「母親が育児しないと子どもが荒れちゃう」
ママさんたちはネガティブな言葉を口にしてきます。言い返したくなるAさんですが、夫と子どものために我慢します。
たまにしか来ないAさんは言い返してスッキリしても、その後で困るのは毎日幼稚園に通っている娘と夫でしょう。育児を夫に任せていても、Aさんにも女だらけの世界のいやらしさは理解できます。
人の家庭のことはほっといて!
「あはは、そうですね〜。気をつけます〜」
適度に流すものの、発表会から帰ってきたAさんは疲れきってしまいました。自分たちが納得していればいいとは思うものの、周囲からの理解のない言葉にはやはりへこんでしまうのでした。
「多様性の時代なんだから、他人の家庭のことなんてほっといて!」
ママさんたちの前では言えなかったことを心の中で叫びながら、自分たちの幸せは自分たちで守っていこうとAさんは思うのでした。目の前の夫や娘が楽しそうなのに、自分たちの決めたスタイルを曲げることはありません。誰もが自分らしく生きていける世界でありたいものですね。
【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2024年11月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:安藤こげ茶
自身も離婚を経験しており、夫婦トラブルなどのネタは豊富。3児のママとして、子育てに奮闘しながらもネタ探しのためにインタビューをする日々。元銀行員の経験を活かして、金融記事を執筆することも。