もちろんパートナーの協力は必須ですが、仕事柄なかなか思うように育児分担できない家庭もありますよね。
今回は、ワンオペ育児に悩んでいたという筆者の友人A子から聞いた、心温まるエピソードをご紹介します。
ワンオペ育児
これは、娘が生まれて半年ほど経った頃のお話です。
夫の仕事が激務だったこともあり、当時娘の育児は育休中の私がほぼワンオペ状態でした。
娘のことはかわいくて仕方なかったものの、慣れない育児にどうしても戸惑うことばかり。
「何でまだ泣いているの?」
「どうして寝てくれないの?」
SNSでいろいろ調べてなるべく1人で解決しようと努力していたものの、不眠で疲れが溜まり鬱気味になっていました。
母に相談
ある日、心が限界だったのか、ふと思い立って娘と一緒に実家に帰ることに。
急に帰ってきたにもかかわらず、母は何も言わずに笑顔で迎え入れてくれました。
そこで思い切って、ぽつりぽつりと育児が辛いことを母に打ち明けると……。
「今辛いよね、私もそうだった」
「でも、A子が生きようと頑張っている姿を見て私はいつも元気をもらっていたのよ」
すぐに理解できず戸惑っている私に母は静かにこう続けました。
「どんなに疲れても、A子が笑っているだけで嬉しいの」
「娘の笑顔は私にとって光だった」
「辛いときこそ我が子をよく見てごらん」
心が晴れた
その言葉につられるかのように娘を見ると、私が見ていると分かったのか、キャッキャッと笑う娘。
その無邪気な笑顔を見て『確かにそのとおりね』と何だかスッと息苦しさが晴れました。
「A子は本当によく頑張っているわ」
「とっても頑張り屋さんだもの」
「だからこそ自分自身のことも大切にね」
思わず涙ぐんだ私にそう伝えて、母は私が泣き止むまで背中をさすってくれたのです。
その後
そのおかげで私は少し肩の力を抜いて、自分を大切にすることを忘れずに、育児と向き合えるようになりました。
『あの言葉がなかったらもっと心を病んでいたかもしれない』と思うと、母には本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
【体験者:20代・女性主婦、回答時期:2024年11月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:一瀬あい
元作家志望の専業ライター。小説を志した際に行った女性への取材と執筆活動に魅せられ、現在は女性の人生訓に繋がる記事執筆を専門にする。特に女同士の友情やトラブル、嫁姑問題に関心があり、そのジャンルを中心にltnでヒアリングと執筆を行う。